ダークマターとダークエネルギーの違い
Question
宇宙の大部分はダークマター(暗黒物質)とダークエネルギー(暗黒エネルギー)からできているという。
ダークマターとダークエネルギーにはどのような違いがあるのか?
Answer
ダークマター(暗黒物質)とダークエネルギー(暗黒エネルギー)は、まったく違うものである。
まず、ダークマターから解説しよう。
見えない物質:ダークマター
望遠鏡で星が見えるのは、その星が光(可視光)を放っているからである。
電波を放っていれば、電波望遠鏡で見ることができる。
中には、赤外線や紫外線、エックス線を放つ天体もある。
これらは、赤外線望遠鏡、紫外線望遠鏡、エックス線望遠鏡を使って観測すればいい。
可視光、電波、赤外線、紫外線、エックス線などをまとめて電磁波という。
天体は、何らかの電磁波を放っているのだ。
つまり、天体を観測するとは、その天体の放つ電磁波を観測していることになる。
ところが、電磁波を放たない天体がある。
これがダークマターだ。
暗黒物質ともいう。
ダークマターは、光も電波もエックス線も放たない。
電磁波を放たないのだから、観測できない。
つまり、まったく見えないのだ。
見えないダークマターが、なぜ存在することがわかるのか?
それは、他の天体のようにダークマターが引力を持っているからである。
銀河の運動をよく観察すると、見えている物質だけでは説明不可能な挙動がある。
ダークマターの引力によって、銀河の動きが影響をうけているのである。
ダークマターは、銀河団、銀河群のなかにも満ちている。
銀河系とアンドロメダ銀河が250万光年離れているが、その間はダークマターで陸続きのようになっている。
ダークマターはわかっていない。
MACHO[マッチョ]または、WIMP[ウィンプ]と考えられている。
未知の斥力:ダークエネルギー
137億年前、宇宙はビッグバンによって始まった。
このとき以来、宇宙は膨張を続けている。
直感では、膨張するスピードは、ビッグバン以来一定か、だんだんと減速しているように予測できる。
しかし、実際の観測から、宇宙の膨張スピードは、加速していることがわかっている。
宇宙は、膨張しているだけでなく、さらにスピードアップしているのだ。
宇宙の内部には、引力を持つ天体がある。
この引力に打ち勝って、空間をスピードアップするためには、空間を広げようとする斥力がなくてはならない。
この斥力の根源をダークエネルギーという。
ダークエネルギーの正体は分かっていない。
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参考文献・サイト
Dark Matter
Chandra:Dark Matter Mystery
WMAP:What is the Universe Made Of?
2009/04/19