銀河はなぜ、渦をまく?
銀河の渦の謎を解く密度波理論
恒星は銀河の中心に近いほどより速いスピードで公転しています。
このような公転を続けると、渦は中心にだんだんと巻き取られるようになっていくはずです。
ところが実際の銀河を観測するとそのような例が見当たりません。
なぜ、銀河の渦は強く巻かれていかないのか?これは銀河の渦に関しての不可解な謎の1つでした。
この謎を解くために登場した学説が密度波理論です。
恒星が渋滞すると渦になる
恒星は銀河の内部を一定のスピードで公転するわけではありません。
物質量の多いところではスピードが遅くなります。
他の恒星も同じ場所でスピードダウンするので、その場所は交通渋滞のように恒星が多くなります。
これが銀河の腕になります。
渦状腕の部分にはガスが多いため、恒星が来ると圧縮され星の形成が起こります。渦状腕に若い恒星が多いのはこのためです。
若い恒星は非常に明るいので渦状腕が目立つようになります。
渦状腕内の星の密度は、渦状腕と渦状腕の間の空間よりも星の密度が10%程度高いだけです。
星の形成が活発な領域が連なった領域が腕としてみえています。
B型星は寿命が1000万年程度なので公転で渦状腕を抜ける前に生涯を終えてしまいます。
渋滞を抜けたクルマが速く走るように、恒星が銀河の腕を抜けると再びスピードアップします。
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2012/08/08
2016/04/09