なぜ、イオで火山が活動しているのか?
イオの火山活動の原因は?
イオの火山
木星の第1衛星イオには、活発な火山がある。
イオの火山は1979年3月にボイジャー1号の探査で発見された。
地球外で火山活動が確認された最初の例である。
ニューホライゾンズが撮影したイオの火山
出典:NASA
イオ全体で400個前後の火山が活動していると考えられている。
中には300キロメートル上空まで噴き上げる火山もある。
イオの火山の仕組み
火山の原因は天体内部の熱源である。
地球の内部が熱い影響で地表には火山がある。
地球より小さい月には火山がない。
誕生直後の月は非常に熱かったが、40億年以上の年月を経て熱を失い、内部も冷えている。
このため現在の月には火山活動がないのだ。
イオも月とほぼ同じサイズなのですでに冷えていいはずだが、そうなってはいない。
イオの内部は十分に熱いのだ。
その原因は木星や他の衛星にある。
イオは木星の近くを回っているため、強い潮汐力を受ける。
月の引力の影響で地球の海水が移動することで海面が上下に動いて潮の満ち引きが起きる。
これが潮汐力だ。
イオも木星の引力で潮汐力を受けるが、海水がない代わりに地面が100メートルほど上下する。
さらに第2衛星エウロパや第3衛星ガニメデから受ける潮汐力もこれに加わる。
このときの地面が動く摩擦熱がイオの地中に貯まり、火山の熱源になっているのだ。
熱源は岩石を溶かしマグマを作る。
イオの地殻には巨大なマグマの固まりがあることも探査機のデータで分かっている。
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参考文献・サイト
Scientists to Io: Your Volcanoes Are in the Wrong Place
JAXA:木星の衛星
2015/08/22
2016/04/11