惑星気象学を語る。
惑星気象学とは
そもそも気象学とは何か
地球大気の現象を研究する学問分野を気象学という。
大気の現象とは、例えば天気のことである。
天気予報は気象学をベースにしていることから、気象学は生活に密着していることが理解できる。
なぜ、天気は変わるのか?
これは、地球が大気を持ち、太陽からの放射を受けているからに他ならない。
太陽から受ける熱量は緯度によって異なる。
温度の違いが大気を流動させ、熱を移動させる。
熱の移動によって、空気中の水蒸気が増減する。
これによって、天気が変わるのだ。
他の惑星の気象学が惑星気象学
太陽系内には、金星、火星、タイタンなど地球以外にも大気を持つ天体がある。
これらの天体も太陽からの放射を受けているので、気象現象が発生している。
地球以外の天体にも視野を広げて気象を研究するのが、惑星気象学だ。
天体ごとに大気の組成や密度は違う。
太陽からの距離も違う。
だから、地球の常識がまるで通用しないような気象現象が、他の天体では起きている。
惑星気象学は惑星個々における気象を研究し、天体ごとの気候メカニズムを明らかにすることを目的としている。
天体ごとの気象現象を究明することには、大きな意味がある。
各天体の気象を比較調査することによって、どの天体にも適用できるより普遍的な気象学を目指すことができるのだ。
惑星気象学の意義
温暖化現象やエルニーニョ現象等、現在の気象学では解明しきれていない気象現象も多い。
他の天体の気象研究から普遍的な気象メカニズムの法則が見出せれば、地球における気象研究も数段進むに違いない。
惑星気象学は地球の環境保全にも十分貢献できる学問分野でもあるのだ。
JAXAは金星の気象研究を目的とした探査機を2010年に打ち上げた。
この探査計画はPLANET-Cとよばれ、探査機をVCO[Venus Climate Orbiter:金星気象衛星]といい、あかつきと呼ばれている。
金星を周回する気象衛星だ。
金星探査機あかつきは単に金星の気象を研究するのみならず、惑星気象学の基礎となることは言うまでもない。
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参考文献・サイト
2008/11/30
2010/10/11