ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

SETIを語る。

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SETIとは

我々の銀河系は、1000億以上の恒星の集団である。
その中には、生命が進化し高度な文明を築いた惑星も多くあるだろうと、過去から考えられてきた。



SETI(セティ、またはセチ)は、地球外知的生命を探す活動を指す言葉である。
このような活動を行っている組織は多い。
SETIは、特定の活動や団体を示すのではなく、地球外の知的生命を探査する活動全般を指す言葉なのだ。



SETIは、Search for Extraterrestrial Intelligence(地球外知的生命探査)の略語である。




どうやって地球外知的生命を探すのか?

今の人類の技術で、銀河系中に探査機を送り込み調査することはできない。
そこで電波を使って探査する。



地球人類は電波を発見し、その電波を通信に応用してきた。
地球外知的生命も高度な文明を持っているなら、きっと電波を発見し、その電波を通信に応用することだろう。



宇宙から来る電波を丹念に調べれば、地球外の知的文明が行っている交信を傍受できるかもしれない。
もしかしたら、地球に向け電波でメッセージを送っている文明も想像できる。



このような仮定のもと、電波望遠鏡を使って自然界ではありえない信号を探すのである。
過去から現在に至るまで、様々なSETIプロジェクトが実施されている。




なぜSETIというのか?

当初、SETIではなくCETIと表現した。
CETIはCommunication with Extra-Terrestrial Intelligence(地球外知的生命交信)の略である。



史上初のSETIプロジェクトは1960年のオズマ計画である。
オズマ計画では、くじら座のτ(タウ)をターゲットにした。



くじら座のラテン語表記はCetiなので、これに地球外知的生命交信の意味を当ててCETIとしたのである。



後日、実際に行っていることは「交信」ではなく「探査」なので、C(コミュニケーション)からS(サーチ)に改めSETIとした。




SETIプロジェクト

オズマ計画

グリーンバンク電波望遠鏡を、くじら座τ(タウ)星とエリダヌス座ε(イプシロン)星に向けて電波を探したのである。


これらは生命が存在しそうな惑星を持つ可能性がある恒星として選ばれた。
150時間に渡る探査の結果、文明の証拠となるような信号は受信されなかった。
[..さらに詳しく見る..]




OSU計画 / ビッグイア計画

OSUとはオハイオ州立大学[Ohio State University]のことである。
OSU計画とは、同大学が進めたSETIプロジェクトである。


このSETIプロジェクトで使用された電波望遠鏡をビッグ・イア[Big Ear]という。
「巨大な耳」という意味だ。


1977年8月15日に奇妙な信号を受信した。
この信号は72秒間継続したが、それ以後、受信されることはなかった。


今日、この信号はワオ信号[Wow! signal]と呼ばれている。




サイクロプス計画

1971年にNASAが主導したSETI計画である。
1500台のアンテナを並べるという壮大な構想であったが、資金調達等の問題により計画倒れに終わった。




セレンディップ計画

セレンディップ計画[SERENDIP]は、1979年からカリフォルニア大学バークレー校で運用されているSETIである。




ベータ計画

ベータ計画[BETA]は、1980年代にカールセーガンらによって開始されたSETIである。
南天の探査はベータII計画という。




メータ計画

ベータ計画をパワーアップする形で、メータ計画[META]が1995年10月から開始された。
1999年3月の暴風雨で設備が損傷を受け、計画は中止された。




フェニックス計画

1990年代初頭、米国政府が計画したSETIが議会の反対で頓挫した。
非営利団体のSETIインスティテュートが、民間の出資を集め、このSETIを引き継いだ。


この計画をフェニックス計画[PHOENIX]という。
フェニックス計画は、全天をくまなく探査するのではなく、200光年以内にある800の恒星をピックアップして順次調査していった。


候補となる信号が検出されることもなく、2004年3月に終了した。

なお、火星探査機フェニックスとは別である。




オゼッティ計画

「オゼッティ」とはオプティカルSETI[Optical SETI]の略である。
通常のSETIが電波の受信を狙っているのに対し、オゼッティ計画は地球外知的文明のレーザーによる通信の捕捉を目指している。




SETI@ホーム

カリフォルニア大学バークレー校が主導するSETIである。
SETI@homeでは、アレシボ天文台が受信した電波を分散コンピューティングによって解析する。


この解析は世界各地の有志によって実施される。
有志は無償配布のアプリケーションを自分のPCにインストールすることによって、膨大な解析作業の一端を担うという分けだ。




SETIに関連した団体・組織

SETIインスティテュート

地球外知的文明を探す米国の非営利法人である。
次の3部門から構成されている。

NASA、ヒューレットパッカード、サン・マイクロシステムズ等をはじめ、多くの組織・企業から出資を受けている。




惑星協会

1980年にカールセーガンらによって設立された非営利団体である。
太陽系探査やSETIに力を入れている。




日本惑星協会

米国の惑星協会と提携関係にある日本の特定非営利活動法人。
惑星探査、宇宙開発、地球外知的生命の研究に関する啓蒙に力を入れている。

協賛企業として、富士ゼロックス、博報堂、三菱電機、小川モーターが名を連ねている。




SETIリーグ

1994年に設立された非営利団体である。
世界各地のアマチュアや電波天文学者がメンバーになっている。





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参考文献・サイト

日本惑星協会
SETI Institute
International Academy of Astronautics
The Planetary Society
なゆたOSETI
国立天文台 アストロ・トピックス (346)I
SETI League

2008/04/20
2008/10/24



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