エラトステネスが求めた地球の大きさ
エラトステネスの計算方法は?
比例計算で地球のサイズを導き出す
太陽の天頂からずれ7.2度は、シエネとアレキサンドリアの緯度の差に対応する。
地球の半径をRとすれば、地球の全周は2πRである。
地球全周2πRが360度に対し、シエネ・アレキサンドリア間5000スタジアが7.2度の比率になるのだ。
2πR:360度=5000:7.2度
これを計算すると、
R=39800スタジアになる。
このような単純な比例計算のみで、エラトステネスは地球のサイズを見積もったのだ。
39800スタジアは7363kmに相当する。
現在確認されている地球の平均半径は約6370kmである。
エラトステネスの求めた値は15.6%の誤差でしかない。
GPSもレーダーも無い時代の15.6%の誤差は、まさに驚異である。
エラトステネスの偉大さは精度だけではない
しかし、エラトステネスの偉大さは15.6%という測定の精度だけではないはずだ。
「場所によって影の長さが違う」という情報から地球が球体であることを洞察し、影を使ってサイズを求められると考えたことがエラトステネスの偉大さなのである。
上記の比例計算は、非常に簡単なものである。
おそらくエラトステネスの時代は、数学教育が現代の日本ほど一般ではなかっただだろうが、この程度の計算ができる人はエラトステネスの他にも多くいたはずだ。
だが「場所によって影の長さが違う」という情報を知ったところで、多くの人は「へぇ〜」と思っただけだろう。
多少、学問を得た人物であっても、これだけの情報から地球のサイズを洞察できる人物がどれほどいたのだろうか?
多くの資料で、エラトステネスが求めた地球のサイズの精度(15.6%)を評価する説明は多い。
しかし、それは本質ではない。
敬服すべきは、エラトステネスの洞察力なのである。
エラトステネスとはどのような人物であったのだろうか?
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参考文献・サイト
How to measure the size of the Earth
2008/04/26
2016/03/28