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こと座リング星雲/M57(メシエ57)を語る。

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こと座のリング星雲M57
こと座のリング星雲M57
出展:Hubblesite

こと座M57(メシエ57)は、2番目に発見された惑星状星雲である。

惑星状星雲の第1号(M27)の発見から15年後に、ダキア[Darquier]が発見した。

メシエも数日後に、独立してM57を発見しカタログに収載している。



M57は、中心にある白色矮星の放射を受けて輝いている。
この星は元々、太陽よりも少し重い恒星であった。


星は核融合反応によって、内部の水素の大部分を使い切ると、星全体が膨張し脈動する赤色巨星へと移行する。
この時、外層のガスは重力の束縛が弱まるので、宇宙空間へと逸散してしまうのだ。
ガスの層を失って残った中心核が白色矮星である。


M57は、逃げていったガスが中央の白色矮星の放射を受け電離されて発光しているのである。
ガスの密度は1cm3あたり1万個のイオンがあると見積もられている。


この白色矮星の温度は10万度であるが、すでに核融合反応が停止しているため、今後数10億年をかけて冷えて暗くなっていくだろう。


ガスは今日でも、秒速20〜30kmの勢いで膨張を続けている。
つまりM57は日々大きくなっていくのだ。
その見かけのスピードは、100年間あたり1秒(一度の3600分の1)である。


M57の視直径は80秒である。
膨張するスピードから考えると、M57のガスは8000年前から広がり始めたことになる。


太陽系からM57までの距離は、研究者によって1400光年から50000光年までまちまちである。
近年の比較的信頼できるデータでは、2300光年と測定されている。


M57は、こと座のベータ星とガンマ星の中間付近にあるので見つけやすい。
中心の白色矮星は14等級のため、小型の望遠鏡では見ることができない。


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参考文献・サイト

SEDS:THE MESSIER CATALOG

2009/12/21



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