ガリレオ衛星を語る。
ガリレオ衛星とは
木星の衛星は60個が知られている。
その中でも突出して大きいイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストをガリレオ衛星と呼ぶ。
発見者ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)に因んで命名された。
ガリレオ衛星を四大衛星と呼ぶ場合もある。
名称 | 半径 | 質量 | 軌道半径 | 公転周期 |
イオ | 3,643km | 8.93×1022kg | 421,800km | 1.77日 |
エウロパ | 3,122km | 4.8×1022kg | 671,100km | 3.55日 |
ガニメデ | 5,262km | 1.48×1023kg | 1,070,400km | 7.16日 |
カリスト | 4,821km | 1.08×1023kg | 1,882,700km | 16.69日 |
ガリレオ衛星の大きさの比較
左からイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト
出展:NASA:Image of the Day Gallery
ガリレオ衛星発見の意義
ガリレオは数日間の観測を経て、これら衛星が木星の周囲を回転していることを確認した。
ガリレオの発見の意義は単に「衛星を発見したこと」ではない。
「天体が、他の天体を回る例を発見したこと」にある。
当時、すでに、コペルニクスの地動説は発表されていたが、異端の仮説として扱われていた。
キリスト教の世界観が支配するなか、天動説が絶対視されていたからだ。
そこでは、すべての天体が地球を中心として回転していると信じられていた。
そんな中、ガリレオは「地球以外天体(木星)の周りを公転する天体」を発見した。
木星の衛星の回転を見て、天動説の反証を確信したのである。
ガリレオ衛星は、まさに近代科学の諸端を切り開いた天体なのだ。
[ガリレオの意義についてさらに詳しく見る]
なお、ガリレオに先行して中国人の天文学者・甘德が364年に裸眼でガニメデを確認しているという説もある。(Wikipedia[甘徳])
ガリレオ衛星の観測
ガリレオ衛星は双眼鏡や小口径の望遠鏡でも楽に見ることができる。
初心者向けの観測対象でもあるのだ。
問題は、木星の現在位置をどのように知るかだ。
木星は惑星なので星座早見盤や星図には載っていない。
天文年鑑などで確認するのである。
ガリレオ衛星の特色
イオ
ガリレオ衛星の中で、最も内側を公転しているものがイオである。
イオの最大の特徴は、火山活動である。
現在のこところ、地球以外の天体で活火山が確認されているのはイオのみである。
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エウロパ
ガリレオ衛星の中で、内側から2番目の軌道を公転しているものがエウロパである。
表面のすべてが氷に覆われており、その内部は液体の水、またはシャーベット状の氷の存在が示唆されている。
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ガニメデ
ガリレオ衛星の中で、外側から2番目の軌道を公転しているものがガニメデである。
ガニメデは太陽系最大の衛星でもある。
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カリスト
ガリレオ衛星の中で、最も外側を公転しているものがカリストである。
液体の水の存在が示唆されている。
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参考文献・サイト
Wikipedia[甘徳]
NASA Solor System Exploration
Galileo Journey to Jupiter
2010/01/10