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ガニメデを語る。

トップページ太陽系の目次木星木星の衛星ガリレオ衛星ガニメデ

ガニメデとは

木星の衛星の中で、特に大きいイオエウロパガニメデカリストガリレオ衛星と呼ぶ。

ガリレオ衛星の中で、外側から2番目の軌道を回る衛星がガニメデだ。
ガニメデ太陽系最大の衛星でもあり、小サイズの惑星に匹敵する。

直径は水星よりも大きく、火星の4分の3もある。
下の写真では、左から火星、ガニメデ、水星、の順に並んでいる。

ガニメデの大きさ比較
左から二番目がガニメデ
出展:SCIENCE@NASA



かつて、太陽系最大の衛星はタイタンだと考えられていた。
ボイジャー1号ボイジャー2号が木星を訪れたとき、ガニメデの詳細なサイズが確認され、タイタン以上に大きく太陽系最大であることが確認された。



ガニメデは、他のガリレオ衛星と同様に、双眼鏡で楽に見ることができる。




ガニメデの自転と公転

ガニメデは7日と3時間で木星の周囲を公転する。
木星の強い潮汐力によって、自転周期は公転周期と一致している。
つまり、ガニメデは常に同じ面を木星に向けていることになる。



イオエウロパ、ガニメデの公転周期は、1:2:4の比例関係にある。
ガニメデが1回公転する間に、イオは4回転、エウロパは2回転するのだ。



これは偶然ではない。 長い間に互いに引力を及ぼし合った結果、公転周期が安定した比例関係に落ち着いたのである。



公転周期が比例関係になっている状態を軌道共鳴という。
一般に軌道共鳴は、二つの天体の間で生じる。



イオエウロパ、ガニメデのように3つの天体間で生じる軌道共鳴は珍しい。
この場合の軌道共鳴を、ラプラス共鳴と呼ぶ。
太陽系内で確認されているラプラス共鳴はイオエウロパ、ガニメデしかない。




ガニメデの特色

ガニメデの表面がクレーターが集中している領域と、起伏に乏しい領域にクッキリと分かれている。

ガニメデの表面
カルデラのようなクレーター
出展:NASA NIX


ガリレオ衛星はすべて、希薄な大気を持つ。
その中で、酸素を含むものはエウロパとガニメデである。



地球大気の酸素は、植物が光合成によって生産したものだ。
だから酸素と聞くと、すぐに生命存在の証拠と考えたくなるが、そうではない。
エウロパやガニメデの酸素は生物由来でないことが確認されている。



太陽からの紫外線や荷電粒子が表面の氷に衝突すると、水分子が酸素と水素に分解される。
水素は軽いため、引力を振り切って簡単に宇宙空間へ逃げてしまうのだ。
留まった酸素がエウロパやガニメデの大気になったのである。



ガニメデは固有の磁場も持つ。
現在までのところ、固有の磁場を持つ衛星はガニメデしか確認されていない。
この磁場と木星からの放射によって、ガニメデの大気中ではオーロラが発生する。



ガニメデ
ガニメデの姿
この表層下には海がある。
出展:APOD


ガリレオ(ガリレイではない。探査機の名)の調査によると、エウロパカリストに続いてガニメデの氷に下にも海の存在が示唆された。



これで、4つのガリレオ衛星のなかで、イオを除く3衛星に海がある可能性が確実視された。

表面の氷の厚さは数キロメートルにも及ぶと考えられている。




ガニメデの発見

ガリレオ衛星は、同時に発見されたと思われているが実は違う。
ガニメデのみ6日遅れで発見されたのだ。



ガリレオは、1月7日に木星の衛星を発見しているが、このときは3つの衛星を記録している。
この3つとはイオエウロパカリストだ。
その後の数日間の観測でガリレオは、これらの天体が木星の周囲を公転していることに気がついた。



ガリレオはなおも観測を続け、1月13日に4つ目の天体が木星の近くにいることを確認した。
これがガニメデである。

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参考文献・サイト

SCIENCE@NASA
Solar System Exploration: Planets: Jupiter: Moons: Ganymede
The Discovery of the Galilean Satellites
Evidence of ocean on Jupiter's moon Ganymede
APOD:Ganymede Enhanced

2007/08/10
2008/09/06
2010/01/17
2010/02/11



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