ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

コロナホールを語る。

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コロナホールとは

コロナホール
1999年のフランスでの皆既日食のコロナ
出展:NASA:Wikimedia Commons



のシルエットの周囲にコロナが広がった皆既日食の写真をよく見かける。
(例えば、左のような写真)



このような写真のイメージから、常にコロナ太陽の周囲全体にまんべんなく広がっているように思えてしまう。

ところが、これは誤りだ。

コロナの分布には粗密がある。

つまり、コロナがある場所とコロナがない場所(または、コロナが薄い場所)が、入り混じっているのだ。
コロナのない場所をコロナホールという。



次の写真でCoronal Holeと指示された場所がコロナホールだ。
そこだけ、コロナのない穴のようになっている。

コロナホール
コロナホール
出展:NASA:National Solar Observatory's Educational and Outreach Resources




コロナホールの特徴


コロナは非常に高温である。
そのため、可視光よりもエックス線を放射する。
エックス線で撮影した画像では、コロナホールが暗く写っている。

コロナホール
エックス線で見たコロナ:上部の黒い部分がコロナホール
出展:NASA:Solar Physics



コロナホールにはもともとコロナがないのではなく、コロナを次々と噴出している領域である。
太陽を離脱したコロナ太陽風だ。
つまり、コロナホールは太陽風をより強く吹き出す領域でもある。



太陽は約11年の周期で活動する。
これを太陽活動周期、またはソーラーサイクルという。
黒点太陽フレアは、太陽活動周期に追従して増減するのである。



コロナホールも同様に太陽活動周期を通じて変化する。
停滞期には、極域にコロナホールが発生するが、活発期には様々な緯度に発生する傾向がある。



太陽表面から出た磁力線は、再び太陽表面へと戻る。
磁力線がループとなって閉じているので、コロナを構成するプラズマはこのループに閉ざされて太陽の周囲に存在できる。



一方でコロナホールのある領域では、磁力線がループとなっていない。
この領域では単極(N極またはS極のみ)なので磁力線がループとならず、宇宙空間へ解放されている。
この磁力線にそって、プラズマが高速で太陽から離脱していくのだ。



巨大なコロナホールになると、太陽表面に持続している時間も長くなる。
太陽はほぼ27日周期で自転しているため、コロナホールも27日周期で地球の側を向くことになる。
このため、巨大なコロナホールが発生すると、地球は27日周期で激しい太陽風にさらされ磁気嵐が発生するのだ。



このような27日周期の磁気嵐を回帰性磁気嵐という。



太陽を常時監視し、巨大なコロナホールが確認されたら、ただちに警報する必要がある。
これを宇宙天気予報(スペースウエザー)という。

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参考文献・サイト

The Encyclopedia of Astrobiology, Astronomy, and Spaceflight
JAXA
Coronal Holes
Astronomy Picture of the Day
The Corona

2008/12/07



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