会合周期を語る。
会合周期とは
地球や他の惑星は太陽の周囲を異なった周期で公転している。
このため、太陽・地球・惑星の位置関係は刻々と変化する。
時々、地球から見て、外惑星が太陽の正反対に来ることがある。
この状態を「衝」という。
例えば土星が、夜中の0時に南中したとする。
このときが土星の「衝」だ。
土星が太陽の正反対にいるのだから夜中の0時に南中するのだ。
地球は365日かけて太陽を公転する。
1年後の同じ日、土星は衝にならない。
土星も公転しているため、地球が1公転する間(365日間)にも、土星は少し進んでいる。
再び、土星と衝になるためには、地球は「前回の衝の位置から少し進んだ土星」に追いつかなくてはならない。
そのためには、地球はさらに13日間ほどの日数を必要とする。
結局、前回の衝から次の衝まで約378日を要することになる。
このように衝から次の衝までの期間を会合周期という。
会合周期は、太陽・地球・惑星の位置関係が同じになる周期である。
各惑星の会合周期を左表に示す。
この表を見て「あれっ!地球がない」と思ってはいけない。
会合周期は、太陽・地球・惑星の3つが同じ配置になる周期だ。
だから「地球の会合周期」はない。
(火星から見た各惑星の会合周期なら「地球の会合周期」もありえるだろうけど・・・)
会合周期は位置関係が同じになる周期なので、「衝から衝」に限らない。
「合から合」、「東方最大離角から東方最大離角」でも会合周期である。
会合周期の計算方法
他の惑星の公転周期を直接観測して求めることは難しい。
惑星も地球も、刻々と公転しているからである。
一方で、会合周期は直接観測して求めることができる。
公転周期は、観測で知った会合周期から計算で求めるのだ。
土星が南中する時刻は観測で知ることができる。
毎夜、繰り返し観測すると、だんだんと南中時刻が変化していく様子が分かる。
観測を続けることによって、夜中の0時に南中する日を特定することができるはずだ。
「夜中の0時に南中する日」が衝だ。
夜中の0時に南中するのは、太陽の正反対に来ているからである。
この日から、次の衝までの期間が会合周期になる。
このように、会合周期は観測から求めることができるのだ。
計算による会合周期の求め方は、外惑星の場合と内惑星の場合で符号が逆になる。
それぞれを説明しよう。
外惑星の会合周期の計算方法
外惑星と地球の会合周期をS年、外惑星の公転周期をP年とする。
当然、Sは観測によって直接求められている。
地球が1年で公転する角度は360度である。
外惑星は同じ期間(1年間)に360/Pだけ公転する。
1周360度を、1周する年数Pで割るので、1年あたり360/P公転するのである。
地球と外惑星は公転によって、1年間で(360-360/P)の角度の差が生じることになる。
地球が360度回ると、外惑星は360/Pだけ余計に進んでいるからである。
この角度の差(360-360/P)度が、積み重なって360度になるまでの年数が会合周期Sになる。
従って、PとSとの関係式は次のようになる。
(360-360/P)×S=360
これを整理すれば
(1/S)=1-(1/P)
となる。
観測で求めた会合周期をPに代入し、Sについて解けばいい。
内惑星の会合周期の計算方法
内惑星と地球の会合周期をS年、内惑星の公転周期をP年とする。
当然、Sは観測によって直接求められている。
地球が1年で公転する角度は360度である。
内惑星は同じ期間(1年間)に360/Pだけ公転する。
1周360度を、1周する年数Pで割るので、1年あたり360/P公転するのである。
地球と内惑星は公転によって、1年間で(360/P-360)の角度の差が生じることになる。
内惑星の公転周期Pは、1年より短い。
このため、360/Pは360よりも大きな値になる。
そのため、(360/P-360)は正の値になる。
外惑星の場合は(360-360/P)であった。
この角度の差(360/P-360)度が、積み重なって360度になるまでの年数が会合周期Sになる。
従って、PとSとの関係式は次のようになる。
(360/P-360)×S=360
これを整理すれば
(1/S)=(1/P)-1
となる。
観測で求めた会合周期をPに代入し、Sについて解けばいい。
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参考文献・サイト
2008/03/09