ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

マーキュリー計画を語る。

トップページ宇宙開発と探査の目次初期の有人ミッションマーキュリー計画

マーキュリー計画とは

米国初の有人宇宙飛行計画がマーキュリー計画だ。
1959年から1963年にかけて実施され、計6名を宇宙へ送り出し生還させた。
マーキュリー計画がジェミニ計画アポロ計画へと引き継がれていく。

なお、マーキュリーには水星という意味がある。



マーキュリー計画にあたって、7名の宇宙飛行士が選抜された。
この7名をマーキュリーセブン、またはオリジナルセブンと呼ぶ。
オリジナルセブンのうち、6名がマーキュリーに搭乗した。


名称打ち上げロケット搭乗者成果
マーキュリー3号
フリーダム7
レッドストーンシェパード15分間の弾道飛行
マーキュリー4号
リバティ・ベル7
レッドストーングリソム
マーキュリー6号
フレンドシップ7
アトラスグレン米国初の地球周回軌道到達
マーキュリー7号
オーロラ7
アトラスカーペンター
マーキュリー8号
シグマ7
アトラスシラー
マーキュリー9号
フェイス7
アトラスクーパーマーキュリー計画中の
最長ミッション

マーキュリー宇宙船は小さいので、宇宙船ではなくカプセルとも呼ばれた。
あまりの狭さから、「乗る」のではなく「着る」とも言われた。



ミッション

マーキュリー3号

マーキュリー計画での初の有人打ち上げがマーキュリー3号だ。
米国での初の有人宇宙飛行である。
ただし、この宇宙飛行は弾道軌道であった。つまり地球の周囲を回ってはいないのだ。

打ち上げから着地まで15分28秒、クルーはアラン・シェパードであった。

ケネディ大統領は「1969年までに人間を月に送る」と宣言したが、それはマーキュリー3号(フリーダム7)の帰還からわずか3週間後のことだった。
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マーキュリー4号

マーキュリー4号はマーキュリー計画での二回目の有人宇宙飛行ミッションである。
ガス・グリソムが搭乗し、高度190キロメートル、15分37秒の弾道飛行に成功した。

大西洋に着水したが、トラブルでハッチが開き、宇宙船は水没した。

この6年後、ガス・グリソムはアポロ1号の火災事故で死亡した。

なお、マーキュリー4号の機体は1999年に4500メートルの海底から回収されている。
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マーキュリー6号

マーキュリー計画で初の有人周回軌道ミッションがマーキュリー6号だ。
ジョン・グレンが搭乗し、米国初の有人周回飛行に成功した。

宇宙船を地球周回軌道に乗せるためには十分な推力を持つロケットが必要である。
打ち上げには、大陸間弾道ミサイル「アトラス」を改造したロケットが利用された。
マーキュリー6号は、マーキュリー・アトラス6号とも呼ばれている。

4時間56分のミッションの間、地球を3周し、カリフォルニア沖に帰還した。

1961年4月に成功したボストーク1号の初の地球周回から、10か月遅れて米国もようやく追いついてきた。
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マーキュリー7号

マーキュリー7号は米国で2番目に成功した有人周回飛行ミッションである。
元々スレイトンが搭乗する予定であったが、心臓に異常が発見されたためカーペンターに交代した。

大気圏再突入時、逆推進ロケット点火のタイミングが3秒遅かったため、予定していた場所から300キロメートル離れた海域に着水した。
このため、地上の管制センターはマーキュリー7号を見失い一時は回収が絶望視された。

なお、交代させられたスレイトンは地上勤務を命じられたが、13年後の1975年7月、病気を克服しアポロ・ソユーズテスト計画で宇宙へ行った。
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マーキュリー8号

マーキュリー8号は1962年10月3日に打ち上げられ、地球を6周した。
シラーが搭乗し、燃料を節約する技術を検証した。

予定していた場所から7キロメートル離れて着水し、完璧なミッションと賞賛された。
ミッションは9時間13分11秒だった。
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マーキュリー9号

マーキュリー計画最後のミッションがマーキュリー9号である。
クーパーが搭乗し1963年5月15日に打ち上げられ、地球を22周した。
ミッションは34時間20分に及び、マーキュリー計画で最長の記録となった。

ミッション中の休憩時間、クーパーは仮眠をとった。
このためクーパーは、宇宙で眠った最初のアメリカ人になった。
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マーキュリー計画で使用されたロケット

リトル・ジョー

緊急脱出用装置を試験するための固体燃料ロケットである。



レッド・ストーン

レッドス・トーンは中距離ミサイルを打ち上げロケットに改良したものだ。
マーキュリー宇宙船を周回軌道まで持ち上げる力は持っていない。
そのため、弾道軌道を目指すマーキュリー3号4号で使用された。



アトラス

アトラスはICBM(大陸間弾道ミサイル)として開発されたものを打ち上げロケットに改良したものだ。
アトラスの実用化により、マーキュリー宇宙船を周回軌道まで持ち上げることができた。

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参考文献・サイト

KSC:mercury project
NASA:mercury project
宇宙情報センター
Chronology of U.S. Astronaut Missions (1961 - 1972)

2010/10/17



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