ジェミニ計画を語る。
ジェミニ計画とは
ジェミニ計画は、マーキュリー計画から続くNASAの有人宇宙飛行ミッションである。
アポロ計画に向けて、宇宙飛行士や地上スタッフの訓練も含んでいる。
10回の有人飛行を通じ、ランデブーやドッキングの技術が確認された。
米国初の船外活動(EVA、宇宙遊泳)にも成功した。
有人飛行以外にも無人のミッションが9回あった。
このため、ジェミニ計画全体の打ち上げ回数は19回に及ぶ。
この中で最長のミッションは14時間であった。
それ以外にもドッキングやランデブーを試験するための7機のアジェナ標的機の打ち上げを行っている。
ジェミニ計画全体で12億8000万ドルが投入された。
ジェミニとはふたご座の意味である。
ジェミニ計画で使用された宇宙船が、二人乗りであったことによる。
この宇宙船はマクドネル社(現ボーイング社)によって開発された。
アジェナ標的機
ジェミニ宇宙船とペアで打ち上げられる無人の宇宙船がアジェナ標的機だ。
軌道上でジェミニ宇宙船とランデブーやドッキングを行う相手になる。
ミッション
ジェミニ1号
ジェミニ計画での最初のミッションである。
1964年4月8日に無人で打ち上げられた。
地球を3周してミッションは完了したが、しばらくは軌道上にとどまった。ジェミニ1号の高度は大気の抵抗によって徐々に低下し、4月12日に大気圏に突入し消滅した。
ジェミニ2号
ジェミニ計画での2番目のミッションである。
ジェミニ1号と同様無人で打ち上げられた。
ジェミニ1号は周回軌道だったが、ジェミニ2号は弾道軌道で打ち上げられた。
18分16秒の飛行時間を経て、大西洋上に着水し回収された。
ジェミニ3号
ジェミニ計画での最初の有人ミッションである。
ガス・グリソムとジョン・ヤングが搭乗した。
ミッション中に3つの実験が計画された。
そのうち、二つは成功したが、無重力環境でウニの卵の成長を確認する実験は装置の不調で失敗した。
帰還時は、予定地点から111キロメートル離れた場所に着水したため、回収に時間がかかった。
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ジェミニ4号
米国初の船外活動(宇宙遊泳)が行われたミッションがジェミニ4号だ。
ジェームズ・マクデビットとエドワード・ホワイトが搭乗した。
4日間に渡るミッションで、地球を62周した。
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ジェミニ5号
ジェミニ5号はジェミニ計画で3回目の有人ミッションである。
ゴードン・クーパーとチャールズ・コンラッドが搭乗した。
今回のミッションでは、長期間の無重力環境の搭乗者への影響を確認することであった。
さらに、ミッション中に17テーマの実験が行われた。
電源として燃料電池が初めて使用された。
REPと呼ばれる小型の実験用衛星を分離し、これとランデブーするテストを行ったが電源の不調により中止された。
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ジェミニ7号
ジェミニ7号にはフランク・ボーマンとジム・ラベルが搭乗した。
このミッションは13日18時間35分におよび、ジェミニ計画で最長の記録になった。
ジェミニ6-A号とのランデブーに成功した。
帰還時は、予定地点から12.2キロメートル離れた場所に着水した。
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ジェミニ6-A号
ジェミニ6-A号はジェミニ計画で5回目の有人ミッションである。
ウォーリー・シラーとトーマス・スタッフォードが搭乗した。
元々ジェミニ6号は、無人のアジェナ標的機とのランデブーを計画していた。
ところがアジェナ標的機の軌道投入が失敗したため、ジェミニ6号の打ち上げは計画の練り直しのため延期された。
結局、ランデブーの相手はジェミニ7号に変更され、改めてジェミニ6-A号として打ち上げられた。
約1日のミッションであった。
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ジェミニ8号
ジェミニ8号には、ニール・アームストロングとデビッド・スコットが搭乗した。
アジェナ標的機とのドッキングに成功した。
ところが、ドッキングから27分後、船体が異常なスピンを起こした。
やむなくアジェナ標的機とのドッキングを解除したが、スピンはさらに激しくなった。
結局、再突入時に使用するRCSスラスターを利用して回転は止めたものの、RCSスラスターの燃料を75%消費したため、これ以上のミッション継続は不可能になった。
その後に計画されていた船外活動や他の実験は中止となり、ジェミニ8号は急遽帰還した。
この影響で、大西洋ではなく沖縄近海に着水した。
このジェミニ8号の船長ニール・アームストロングは後にアポロ11号で人類初の月着陸を成功させた人物である。
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ジェミニ9-A号
ジェミニ9-A号には、トーマス・スタッフォードとユージン・サーナンが搭乗した。
アジェナ標的機とのドッキング試験を計画していたがトラブルのためランデブーのみの試験になった。
その後の船外活動も不調に終わった。
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ジェミニ10号
ジェミニ10号はジェミニ計画で行われた8回目の有人宇宙飛行ミッションである。
ジョン・ヤングとマイケル・コリンズが搭乗した。
アジェナ標的機(GATV-5005)とのドッキングに成功し、その後、別のアジェナ標的機(GATV-5003)とのランデブーにも成功した。
船外活動ではアジェナ標的機(GATV-5003)から、微小な隕石を収集する装置を取り外しジェミニ10号に持ち帰った。
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ジェミニ11号
チャールズ・コンラッドとリチャード・ゴードンが搭乗した。
米国初の完全なコンピューター制御による大気圏再突入に成功した。
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ジェミニ12号
ジェミニ12号はジェミニ計画最後のミッションである。
ジム・ラベルとエドウィン・オルドリンが搭乗した。
ミッションは3日22時間34分31秒におよび、地球を59周した。
この間、3回の船外活動が実施され、微小隕石収集機が回収された。
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参考文献・サイト
宇宙情報センター
KSC:Gemini
NASA:Gemini
NSSDC:Gemini
2010/10/17