ふたご座を語る。
ふたご座は、冬の星座である。
黄道十二星座の一つで、おうし座と かに座の間にある。
黄道とは太陽が一年かけてたどるルートのことだ。
黄道上にある12の星座が黄道十二星座である。
ふたご座には黄道が通っており、おおよそ6月21日から7月20日にかけて、太陽はふたご座の領域を通過する。
この時期ふたご座は太陽の背後(昼間の空)にあるので見ることができない。
ふたご座は、ギリシア神話に登場する双子の兄弟に由来する星座だ。
双子は大神ゼウスの息子で、兄がカストル、弟がポルックスである。
カストルとポルックスは、それぞれα星、β星の名称になっている。
ふたご座は、トレミーの48星座でもある。
トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。
しかし、18世紀に、トレミー48星座の中のアルゴ座がラカイユによって分割された。
ふたご座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。
天王星は1781年に、冥王星は1930年に、それぞれふたご座で発見された。
1960年代に実施された、米国の有人宇宙飛行計画をジェミニ計画という。
ジェミニとは、ふたご座[Gemini]のことである。
これは、ジェミニ計画で使用する宇宙船が、二人乗りであることに由来している。
ジェミニ計画での成果がアポロ計画に引き継がれていった。
ふたご座の主な恒星
カストル[α Gem]
ふたご座のα星をカストルという。
カストルは6重連星である。
二組の分光連星が467年で回りあい、さらにその周囲を食連星が公転する。
距離は太陽系から50光年だ。
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ポルックス[β Gem]
ふたご座のβ星をポルックスという。
太陽系から約34光年離れたK型の恒星である。
ポルックスは惑星を持つことが確認されている。
この惑星はポルックスから1.6天文単位の軌道を590日で公転する。
質量は最低でも木星の2.3倍と見積もられている。
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ふたご座γ [γ Gem]
ふたご座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から105光年の距離にあるA型星である。
ふたご座μ [μ Gem]
ふたご座で4番目に明るい恒星である。
太陽系から232光年の距離にあるM型星である。
ふたご座の主な星雲・星団
M35
M35は散開星団である。
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NGC2158
NGC2158は、ふたご座の散開星団である。
M35のすぐ近くにある。
NGC2392
NGC2392は惑星状星雲である。
毛皮のフードを被ったエスキモーのように見えることからエスキモー星雲とも呼ばれている。
外側のガスは1万年前から拡散が始まっている。
内側の構造は中心の恒星から噴出した粒子らしい。
Abell 21
Abell 21は惑星状星雲である。
太陽系から1000光年の距離にある。
神話に登場するメドゥーサに似ていることから、メドゥーサ星雲と呼ばれている。
実直径は4光年と見積もられている。
ふたご座の流星群
ふたご座流星群
極大時には1時間に50から80個の流星が出現する。
出現数の多さから、しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群とともに三大流星群の一つになっている。
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ふたご座ρ群
12月28日から1月28日にかけて出現する流星群である。
ふたご座のその他の天体
ふたご座R [R Gem]
369日周期の変光星である。6等級〜14等級の範囲で変光する。
ふたご座U [U Gem]
矮新星型の変光星である。
ふたご座Uは、白色矮星と赤色巨星が4時間11分の周期で回りあっている。
ふたご座DM [DM Gem]
1903年にふたご座に出現した新星である。
最大光度は4.8等まで到達したが、現在は16.5等である。
ふたご座DN [DN Gem]
1912年にふたご座に出現した新星である。
最大光度は3.5等まで到達したが、現在は14等である。
IC 443
約3万年前に爆発した超新星残骸である。
X線を放っている。
太陽系からの距離は5000光年である。
PSR B0633+17
太陽系から552光年の距離にある中性子星である。
この中性子星の元になった超新星は、約30万年前に爆発した。
ジェニグマ[Geminga]とも呼ばれている。
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参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
Chandra X-ray Observatory
BBC:Constellations
AAVSO:U GEM
Wikipedia:Zodiac
2008/05/06
2009/10/24