流星群を語る。
流星群とは
夜空を眺めていると時々流星が流れる。
流星は散発的に発生するため、どの方向に出現するかはランダムである。
ところが毎年、決まった時期になると流星が増える現象がある。
この現象を流星群という。
流星群に属する流星を群流星という、流星群に属さない流星を散在流星という。
群流星は、空の一点から放射状に出現する。
この点を輻射点という。
流星群の時期であっても、同時に散在流星が流れる場合も多い。
この場合、散在流星の経路は輻射点を通らない。
なぜ流星群が出現するのか?
宇宙空間に漂うチリ(流星体)が地球の大気圏に突入すると過熱され発光する。
これを地上から見ていると、一筋の光のように観測される。
これが流星だ。
流星体は、太陽系内に均等に分布しているのではない。
濃く分布している領域と、そうでない領域がある。
地球は一年かかって太陽の周囲を一周する。
このため、毎年同じ時期に月に流星体が濃く分布している領域を通りかかる。
当然、このとき流星の数は増加する。
これが流星群である。
流星体が濃く分布している領域は、彗星の軌道と一致している。
彗星は流星体を撒き散らしながら太陽を公転しているのだ。
地球は、毎年8月にスイフト・タットル彗星の軌道を横切る。
このとき、ペルセウス座流星群が発生する。
流星群の種類
定常群
例年、決まって同じ時期に出現する流星群を定常群という。
ペルセウス座流星群、ふたご座流星群が定常群に分類される。
周期群
数年から数十年ごとに活発になる流星群を周期群という。
しし座流星群が周期群に分類される。
突発群
何の予告もなく突如として出現する流星群を突発群という。
後年、再現されない。
ほうおう座流星群が例である。
流星群に関する用語
輻射点
流星群はランダムに飛び交うのではない。
空の一点から放射状に流れる。
この一点を輻射点という。
流星群の名前は原則として輻射点を持つ星座の名前で呼ばれている。
例えば、輻射点がペルセウス座にあれば、ペルセウス座流星群と呼ばれる。
ZHR
一時間に見られる流星の理論上の数をZHRという。
輻射点が天頂にあると仮定し、雲量ゼロ、肉眼で確認できる最微等級6.5等としたとき、1時間に流れる流星の数で表現する。
従って、実際に観測された流星数ではない。
活動プロファイル
ZHRは時間の経過と共に変化する。
この変化の様子をグラフに表したものを活動プロファイルという。
ペルセウス座流星群の活動プロファイルを見ると、7月20日ごろから少しずつZHRが増え、極大(8月13日)の直前に急増することが分かる。
主な流星群
しぶんぎ座流星群
しぶんぎ座流星群は、りゅう座に輻射点を持つ流星群である。
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ペルセウス座流星群
ペルセウス座流星群は、8月12日ごろに極大を持つ流星群である。
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ジャコビニ流星群
ジャコビニ流星群は、10月9日前後の夕刻に出現する流星群である。
りゅう座ガンマ流星群とも呼ばれるが、母天体ジャコビニ・ツィナー彗星の名から、ジャコビニ流星群という名称がメジャーになっている。
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ふたご座流星群
ふたご座流星群は、12月14日前後に極大を迎える流星群である。
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3大流星群とは
流星群は年間を通じて20種類くらいが出現する。
出現の規模は、群によって異なっている。
このなかで、1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群は、出現数が際立っている。
この3つの流星群を、三大流星群という。
流星群の関連ネタ
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参考文献・サイト
長沢工「流星と流星群」地人書館,1997
マーチン・ビーチ「流星観測」誠文堂新光社,2009
Meteor Showers Online
International Meteor Organization
The American Meteor Society
日本流星研究会
Sky and Telescope
2008/06/07
2009/05/01