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ペルセウス座流星群を語る。

トップページ太陽系の目次>太陽系小天体[SSSB]>流星群ペルセウス座流星群

ペルセウス座流星群とは

ペルセウス座流星群は、毎年、おおよそ7月20日から8月20日の間に出現する大規模な流星群である。
流星の出現数は、日によって変化するが8月13日前後に極大を迎える。



極大時には1時間に60個程度の流星が出現する。
出現数の多さから、1月のしぶんぎ座流星群、12月のふたご座流星群とともに、三大流星群の一つになっている。



ペルセウス座流星群の母天体は、スイフト・タットル彗星である。




なぜ、ペルセウス座流星群が出現するのか?

宇宙空間に漂うチリ(流星体)が地球の大気圏に突入すると過熱され発光する。
これが流星である。



流星体は、太陽系内に均等に分布しているのではない。
濃く分布している領域と、そうでない領域がある。



地球は毎年8月に流星体が濃く分布している領域を通りかかる。
当然、流星の数は増加する。
これがペルセウス座流星群だ。



流星体が濃く分布している領域は、彗星の軌道と一致している。
彗星は流星体を撒き散らしながら太陽を公転しているのだ。
ペルセウス座流星群の源になっている彗星(母彗星)はスイフト・タットル彗星である。




ペルセウス座流星群の活動プロファイル

7月20日を過ぎると、ペルセウス座流星群はボチボチと出現する。
ここから極大に向けて、毎日少しずつ出現数が増加する。
ところが、ダラダラと増加していた出現数であるが、8月13日前後の極大付近で、突如として増加する。


ペルセウス座流星群は、極大日の直前に急激に出現数が増加する。




輻射点とペルセウス座

流星群は、流星が好き勝手な方向へ飛ぶのではない。
飛び方にはルールがある。



流星が飛んだ経路の元をたどると、流星が空の一点を中心に四方八方へ飛んでいるのが判る。
この点を輻射点という。
輻射点がペルセウス座にあるので、ペルセウス座流星群とよぶ。


ペルセウス座流星群の輻射点は、ペルセウス座にある。
参考:Science @NASA



輻射点がペルセウス座γ(ガンマ)星の近くにあることから、ペルセウス座流星群をペルセウス座γ流星群と呼ぶ場合もある。



ペルセウス座流星群の輻射点は、これ一つではない。
χ(カイ)星、α(アルファ)星、β(ベータ)星の付近でも微小な輻射点が確認されている。




ペルセウス座流星群の母天体

ペルセウス座流星群の母天体は、スイフト・タットル彗星である。
スイフト・タットル彗星は1992年に回帰した。
回帰から15年以上経過したが、出現数の顕著な衰えは感じられない。



ペルセウス座流星群の観測方法

極大日であっても、一晩中に見えるわけではない。
流星は、輻射点を中心に放射状に飛ぶ。
このため、輻射点が地平線より十分高く登っていることが望ましい。



実際に、ペルセウス座流星群の観測に適した時間帯は、夜半過ぎから薄明前までになる。




2010年のペルセウス座流星群

2010年の条件はほぼ最良

2010年のペルセウス座流星群は、8月13日に極大を迎える。
10日が新月であるため、条件は最良だ。
しかし、極大時刻は9時であるため、残念ながらピークは昼間になる。




ペルセウス座流星群の過去の出現状況

2009年のペルセウス座流星群

2009年のペルセウス座流星群は、8月13日の3時に極大を迎えた。
翌8月14日が下弦であることから、流星が飛ぶ夜半過ぎから薄明前にかけて月の明かりが残ることになる。
このため、観測条件は悪った。




ペルセウス座流星群の研究・観測史

流星は紀元前から知られていたが、流星群が知られたのは19世紀になってからだ。
1833年11月13日の早朝、大量の流星が出現した。



これ以前、流星の研究は天文学の中でもマイナーな存在だったが、この大出現を境に流星の研究が活発になり、他の流星群を探す動きも見られるようになった。



このとき、流星はランダムに飛ぶののではなく、空の一点(輻射点)から放射状に飛ぶものだった。
輻射点がしし座にあることから、この流星群は今日しし座流星群である。



この大出現の翌年、過去の出現記録を調べた米国のロックがペルセウス座に輻射点を持つ流星群を確認した。
アイルランドでは3世紀から、8月に流星が多く出現することが知られており、セントローレンスの涙と呼ばれていた。
セントローレンスとは、キリスト教を布教した罪を問われた殉教者の名である。



セントローレンスが8月に処刑されたことから、この時期に出現する流星群をローレンスが流す涙になぞられえたのだ。



スキアパレリは、スイフトタットル彗星の軌道が8月の流星群の軌道と酷似していることに気がついた。
これが、流星群が彗星を起源とすることを示唆した最初の例になった。
スキアパレリは、ローマ大学天文台への報告の中で、8月の流星群をペルセウス座流星群と命名した。



この内容は1866年のローマ大学天文台から発表された。
この年は1833年のしし座流星群の出現の次の回帰にあたる。




ペルセウス座流星群のFAQ

ペルセウス座流星群とは何ですか?

毎年8月13日前後になると、たくさんの流星が流れます。
これをペルセウス座流星群といいます。
ピーク時には、1時間に60〜100個の流星が出現します。
ただし、月が明るいと出現数は減ってしまいます。




なぜ、ペルセウス座流星群と呼ぶのですか?

流星は不規則に流れるのではありません。
空の一点(輻射点)から放射状に流れます。
輻射点がペルセウス座にあるのでペルセウス座流星群と呼ぶのです。




ペルセウス座流星群は一晩中見られるのですか?

輻射点が高く上ると多く流れます。
夜半過ぎから明け方が狙い目です。
ただし、月の位置にも影響されます。




天体望遠鏡は必要ですか?

必要ありません。
肉眼で観測できます。
ただし、暗闇に十分に眼を慣らしてから観測してください。




ペルセウス座はどこにありますか?

8月中旬の午前3時であれば、北東の空に見えます。
カシオペア座ぎょしゃ座の中間あたりです。

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参考文献・サイト

天文年鑑2010
長沢工「流星と流星群」地人書館,1997
マーチン・ビーチ「流星観測」誠文堂新光社,2009
Meteor Showers Online
NASA

2009/05/01
2009/07/11



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