ぎょしゃ座を語る。
ぎょしゃ座は冬の星座である。
5角形をした配列が特徴である。
「ぎょしゃ」とは馬車を操る「馭者」の意味である。
ぎょしゃ座は、4頭立ての戦車馬車を発明したアテネ王エリクトニオスに由来する。
エリクトニオスは足が不自由であったが、戦車馬車を駆使して戦果を挙げた。
星座絵では、ヤギを抱くエリクトニオスの姿が描かれている。
ぎょしゃ座は、ゆがんだ五角形に星が並んだ星座だ。
五角形の中で最も明るい星が、一等星のカペラである。
ぎょしゃ座の起源は古い。
トレミーの48星座の一つでもある。
トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。
しかし、18世紀に、トレミー48星座の中のアルゴ座がラカイユによって分割された。
ぎょしゃ座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。
ぎょしゃ座の主な恒星
ぎょしゃ座α [α Aur]
カペラは単一の恒星に見えるが、4つの星から構成される分光連星である。
太陽系からカペラまでの距離は42光年と比較的近い。
カペラはラテン語でメスヤギという意味がある。
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ぎょしゃ座β [β Aur]
ぎょしゃ座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から82光年の距離にあるA型星である。
ぎょしゃ座θ [θ Aur]
ぎょしゃ座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から173光年の距離にあるA型星である。
ぎょしゃ座ζ [ζ Aur]
アルゴル型の食変光星である。
972日周期で変光する。
太陽系から800光年離れている。
ぎょしゃ座ε [ε Aur]
アルマーズという固有名を持つ。
周期が27.1年の食変光星である。
食の期間が2年も続く。
食の期間の長さから、以前は直径が太陽の3000倍の超巨星が伴星であると考えられていた。
現在では、ガスの円盤に囲まれた小型の伴星が主星の周囲を公転しているとする説が有力だ。
ガスの円盤が広いため、伴星が主星の前面を通過すると期間の長い食が起きる。
近年では、2009年8月から2011年3月まで食が継続する。
ぎょしゃ座の主な星雲・星団
M36
M36は散開星団である。
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M37
M37は散開星団である。
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M38
M38は散開星団である。
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NGC1664
NGC1907
散開星団である。
誕生後5億年程度の恒星を30個程度含んでいる。
NGC2281
散開星団である。
IC405
IC405はぎょしゃ座の散光星雲である。
実サイズは5光年、太陽系からの距離は1500光年である。
変光星ぎょしゃ座AEを包み込んでいる。
IC410
IC405はNGC1893を包み込む散光星雲である。
実サイズは100光年、太陽系からの距離は1万2000光年である。
IC2149
ぎょしゃ座の流星群
ぎょしゃ座流星群
1月31日から2月23日までの間に出現する。
火球が多い。
ぎょしゃ座α群
8月25から9月6までの間に出現する。
1時間に10個以下である。
ぎょしゃ座δ群
9月22日から10月23日までの間に出現する。
1時間に10個以下である。
ぎょしゃ座ζ群
12月11日から翌年の1月21日までの間に出現する。
ぎょしゃ座のその他の天体
ぎょしゃ座R [R Aur]
458日周期のミラ型の変光星である。
6.7等から13.7等まで変化する。
ぎょしゃ座AE [AE Aur]
5.8等から6.0等まで不規則に変光する。
ぎょしゃ座AEを取り囲むように散光星雲IC405が広がっている。
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参考文献・サイト
2008/05/18