HR図 / ヘルツスプルング-ラッセル図を語る。
前ページではHR図の概要を説明した。
ここでは、HR図の応用について解説する。
--目次--
球状星団とHR図
HR図の興味深い使い方として、一つの球状星団を構成する星をHR図上にプロットしたものがある。
球状星団とは数十万個程度の恒星が重力によって球状に密集した天体のことだ。
銀河系を取り囲むように分布しているので、球状星団はみな遠い。
球状星団を構成する星は、すべて等距離にあるため、HR図の縦軸は絶対等級ではなく実視等級でいい。
同一の球状星団を構成する星は、同じ時期に生まれ、同じ組成を持っている。
異なるのは質量だけだ。
質量の違いは、進化のスピードの差になって現れる。
若い球状星団は、ほとんどが主系列星であるが、年を取った球状星団のHR図は、質量の大きい星は赤色巨星になってしまったため、主系列の左半分がない。
従って、HR図上で主系列から外れようとしている恒星の年令がその球状星団の年令である。
HR図のバリエーション
HR図では縦軸を絶対等級、横軸を表面温度としている。
だが、HR図の軸の取り方はこれだけではない。
HR図には他のバリエーションもあるのだ。
HR図の横軸
横軸をスペクトル型としているHR図もある。
表面温度とスペクトルは、強く相関しているのでスペクトル型でもHR図が作れるのである。
また、横軸をB-V色指数としているHR図もある。
HR図の縦軸
縦軸を光度としているHR図もある。
例えば、太陽の光度を1として、他の恒星の光度を相対的に現してHR図にするのだ。
HR図の関連ネタ
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参考文献・サイト
University of California, San Diego
2007/05/09
2008/01/22
2009/11/24