ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

エウロパの海を語る。

トップページ太陽系の目次木星木星の衛星エウロパエウロパの海

木星の衛星エウロパの表層は氷であるが、地下100キロメートルには液体の海があると考えられている。



元々、エウロパの表層下に海があると考えられるようになったのは木星探査機ガリレオの観測によってである。
生命がいる可能性がたびたび取りざたされる天体の1つだ。



エウロパの海はどのように発見されたのか

1995年から2003年の間、ガリレオが木星を周回して探査した。
ガリレオはエウロパに接近する度に、磁気を測定して、その値からエウロパの内部が流動性のある電解質で満たされていることを発見したのだ。
氷の衛星と思われていたエウロパが、実は地下に深さ100キロメートルの海がたえられているのである。



地球の海の場合、もっとも深い部分でもせいぜい10キロメートルだ。つまりエウロパの海は地球よりも10倍も深いことになる。
このため、エウロパの海が持つ水の量は、地球上の液体の水の総量の2〜3倍に達することだろう。



これほど、酷寒の衛星でなぜ水が液体のままでいられるのか。
その答えは木星の巨大な潮汐力にある。
エウロパ木星の引力の影響のなかを公転するうちに、エウロパの地下が摩擦され熱を持つ。
この熱がエウロパを温めるため、水が液体のまま維持されるのだ。



なお、木星探査機ガリレオは、同様の観測によってガニメデカリストにも海を発見している。



エウロパの海から水の噴出

2013年になると、エウロパの表面から水が噴出してることがハッブル宇宙望遠鏡の観測によって明らかにされた。



エウロパは、楕円軌道をたどり約3.5日で木星を1周する。
この水はエウロパ木星から最も離れたタイミングで噴出する。
これはエウロパ木星から受ける潮汐力は巨大だ。
その力は、楕円軌道上の場所によって変化し、受ける潮汐力が変化する。
これによって氷の裂け目が開閉して、開いたタイミングで地下の海水が噴出するのである。



エウロパの海の生命

液体の海の存在が事実であったなら、エウロパに生命が誕生した可能性も否定できないだろう。
小惑星彗星によってエウロパにもたらされた有機物が生命に進化しているかもしれない。



エウロパから見た太陽は、地球で見た太陽よりも暗い。
まして厚い氷層下の海には、太陽の光はほとんど到達しないだろう。
この場合のエネルギーは海底から供給される。
地球の深海には熱水噴出孔がありその周辺には独自の生態系が築かれている。



エウロパの深海底に熱水噴出孔があれば、生命が存在できる条件がそろったことになる。
細菌レベルの生命はおろか、魚類まで進化している可能性もある。



このページのTOPへ




スポンサーリンク

参考文献・サイト

A Window into Europa's Ocean Right at the Surface
Solar System Exploration:Europa:Overview

2014/05/22



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト