フラウンホーファー線を語る。
[3]フラウンホーファー線の暗線と輝線
輝線とは
輝線スペクトル
上から、ナトリウム、水銀、リチウム、水素の輝線スペクトル
出展:Introduction to the Spectra Experiment
暗線の他に輝線も確認しておこう。
輝線とは特定の波長の光のみが飛び飛びに輝くスペクトルである。
希薄なガス体が高温状態にあるとき、その元素固有の波長の光を放つのだ。
これが輝線スペクトルとなって現れる。(左の図)
つまり、希薄なガス体が
・特定の波長を吸収すれば→暗線(フラウンホーファー線)
・特定の波長を放出すれば→輝線
となるのである。
暗線と輝線の違い
希薄なガス体がフラウンホーファー線を生じるか、輝線を放つかは、そのガス体の状況による。
ガス体が非常に高温で、背後に連続スペクトルがない場合は輝線スペクトルを生じる。
彩層やプロミネンス、コロナが放つ輝線スペクトルがこれに相当する。
ガス体の背後に連続スペクトルがある場合、ガス体は輝線スペクトルの位置に相当する波長を吸収する。
これがフラウンホーファー線となって現れるのだ。
太陽の光球はまさに、連続スペクトルを放っており、その手前にあるガスが特定の波長を吸収してフラウンホーファー線になるのである。
「手前にあるガス」には、太陽外層のガスもあれば、地球大気のガスもある。
■最初のページ:フラウンホーファー線とは?
スポンサーリンク
参考文献・サイト
平山淳「現代天文学講座5 太陽」恒星社,1981
The Spectroscopy Net
With the right tools, astronomers decode the Nature’s cosmic messages in a beam of light.
太陽のフラウンホーファー線
2008/11/10
2009/12/26
2016/03/27