太陽日と恒星日を語る。
太陽日
1日は24時間である。
1日の長さ「24時間」は、太陽の動きから決めている。
太陽は、東から昇り、南を通過して西に沈む。
太陽の動きは生活に密着しているので、太陽の動きを基本に1日の長さを決めるのは合理的である。
太陽の動きを基準にして決めた一日の長さを太陽日という。
太陽日には視太陽日と平均太陽日がある。
視太陽日
太陽が真南に到達することを南中という。
南中から、次に南中するまでの時間が1日なのである。
太陽の南中は、観測によって知ることができる。
太陽の見た目の動きで、測った1日の長さを視太陽日という。
地球の公転軌道は、楕円(だえん)であり、さらに地球の自転軸が公転面から傾いている。
このため、太陽の見かけの動きは、一年を通じて速くなったり、遅くなったりする。
1日の長さは、太陽の動きで決めたのに、太陽の速度が変るので、視太陽日の長さは毎日変化することになる。
つまり、南中から次に南中するまでの時間(1視太陽日)は、一定ではないのだ。
これは太陽を元に暦を作るうえで、大変不便である。
なにしろ、一日の長さが毎日変化するからである。
平均太陽日
そこで、太陽の速度が、季節ごとに変化しないと仮定して1日の長さを考えることにした。
もし、地球の軌道が完全な円であり、地球の自転軸が公転面に垂直だったとしたら、1視太陽日の長さは一定になるはずだ。
このように仮定して決めた、1日の長さを平均太陽日という。
1年を通じて平均して動く太陽を仮想する。
この仮想した太陽を平均太陽という。
視太陽日の速さのばらつきを、均一にならしたものが平均太陽日なのだ。
平均太陽日とは、平均太陽が南中してから、次に南中するまで長さを指している。
まとめると次のようになる。
太陽日の種類 | 意味 | 長さの変化 |
視太陽日 | 実際の太陽の南中から次の南中まで | 1年を通じて変化する |
平均太陽日 | 平均太陽の南中から次の南中まで | 1年を通じて変化しない。 |
日常使用している1日の長さ(=24時間)は、平均太陽日を使用している。
なお、平均太陽日と視太陽日の差を均時差という。
恒星日
1日の長さは、太陽の動きによって決めた。
これが太陽日で、視太陽日と平均太陽日が定義された。
太陽の動きとは別に、恒星の動きによって1日の長さを決めることができる。
ある恒星が南中してから、次に南中するまでを1日とするのである。
これを恒星日という。
オリオン座は冬の星座である。
真冬(2月の上旬)には、20時に南中する。
ところが、12月頃の20時に見たオリオン座はもっと東にいる。
4月頃の20時に見るオリオン座は西に傾いている。
このように、同じ時刻(この場合は20時)に観測していると、日が経つにつれ星座はだんだんと西へ動いていくことになる。
これは、地球が1日に1回転する間に、星座は360度よりも多く回転していることの表れなのだ。
毎日、星座は360度+α回転するため、1日ごとにαが積み重なって、同じ時刻に見る星座はだんだんと西へ移るのだ。
これを言い換えると、星座は1回転(360度)するのに1日(=24時間)かかっていないことを意味している。
これは、オリオン座に限らず他の恒星も同様である。
恒星が南中する時刻は、1日ごとに、だんだんと早くなっていくのだ。
恒星の南中から次の南中までの時間(恒星日)は、24時間かかっていない。
つまり恒星日は、太陽日(24時間)よりも短いのである。
1恒星日=23時間56分4.091秒
である。
恒星日は、太陽日に約4分足りない。
このため、ある恒星の南中時刻は1日につき4分ずつ早くなっていく。
ある恒星を同じ時刻に観測し続けると、その恒星は、毎日4分に相当する分だけ西へ動いていくのである。
「1日につき4分」が積み重なって1か月では南中時刻は2時間早くなる。
半年後には、12時間早く南中することになる。
「1日につき4分」が積み重なって、真夜中に南中していた恒星は、半年後には真昼に南中するのだ。
真昼に南中する星は見えない。
その代わり真夜中には別の恒星が南中するはずである。
季節ごとに星座が移り変わっていくのは、太陽日と恒星日の「1日につき4分」の違いが累積していくからである。
星座が1回転する時間は、地球が恒星に対して1回転する時間である。
これをまとめると次のようになる。
恒星日:地球が恒星に対して1回転する時間(23時間56分4.091秒)
太陽日:地球が太陽に対して1回転する時間(24時間)
太陽日と恒星日の違いは、一年の長さの違いに影響する。
1年の長さ(太陽年)は、太陽日でカウントすると365.2422太陽日であるが、恒星日では366.2422恒星日となる。
ここから、太陽日と恒星日で、一年の長さが丸1日分違うことが分かる。
ある恒星の南中時刻は毎日4分づつ早くなる。
「1日につき4分」が1年分積み重なった結果、1年経過すると南中時刻は元にもどってくる。
これが、太陽日と恒星日が一年間で丸1日分違うことの理由である。
太陽日では、太陽が南中する時刻を正午(昼の12時)とした。
恒星日では、春分点が南中する時刻を深夜0時とする。
自転周期と恒星日
「地球は24時間で1回転する」と多くの人が思っている。
しかし、天文年鑑などで地球の自転周期を調べると、その値は「23時間56分4.091秒」であることが分かる。
地球の自転周期は、24時間よりも短いのだ。
この自転周期の値は恒星日と一致している。
自転周期とは、太陽に対する自転ではなく、恒星に対する自転の時間なのである。
太陽が南中してから、次の南中までが24時間であって、これは自転周期ではないのだ。
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参考文献・サイト
2008/06/21