ホーキング織野の

サラリーマン、宇宙る。

オリオンを語る。

次期宇宙船オリオンとは


オリオン
出展:Constellation Program

2011年7月、スペースシャトルが全機退役した。



人命を損なう事故を2度も発生させた上、メンテナンスに要するコストも高くつく。
NASAがスペースシャトルをやめたのも無理はない。



シャトルの後継の宇宙船がオリオンだ。
NASAの委託を受け、ロッキードマーティン社が開発中である。




なぜオリオンなのか

オリオンの機体はカプセル型でアポロ宇宙船に似たイメージを持つ。
しかしサイズは直径は約5メートルと大きく、内部空間はアポロ宇宙船の2.5倍と広い。



約30年の運用を経て、スペースシャトルには根本的な問題があることが分かった。
耐熱タイルは、大気圏再突入時に生じる熱から機体とクルーを守る重要なパーツである。
耐熱タイルが欠損すれば重大な事故に直結する。



スペースシャトルは、このように重要な耐熱タイルをむき出しの状態で打ち上げるため、リスクはその構造に根ざしていると言える。
さらに問題なのは、滑空という帰還方法だ。
滑空するためには、主翼が必要となる。



スペースシャトルの打ち上げ時の重量には、帰還時にしか使用しない主翼も含まれている。
これでは、打ち上げの燃料が無駄になる。



さらに、主翼があることによって、大気圏再突入時に高熱にさらされる部分が増えることになる。



このため、オリオンは、翼を持たないカプセル型の機体になったのだ。
耐熱シールドは、打ち上げ時にロケット内に保護されている。



コンステレーション計画

オリオンの開発はコンステレーション計画としてスタートした。
ブッシュ政権下の宇宙開発の主軸である。



この計画では、オリオンは、国際宇宙ステーション[ISS]へは6名を、月探査では4名のクルー(乗員)を想定しており、さらに将来の火星探査も視野に入れた設計となっていた。
ISSへの人員・物資の輸送時、オリオンは単体でアレスⅠによって低軌道に打ち上げられる。
月探査の場合、オリオン単体では無理だ。
月着陸船地球離脱ステージとのコンビネーションが必要になる。
月着陸船地球離脱ステージは、アレスVによって打ち上げられる。



オバマ政権になってから宇宙政策が見直され、コンステレーション計画は中止となった。
しかし、オリオンは低軌道輸送用の宇宙機となって開発が続行したのである。



オリオンの開発の見通し

オリオンの開発は遅れており、実用化は2014になる見込みである。
シャトル退役(2011年)からオリオン導入(2014年以降)までの間、米国は国際宇宙ステーションへの往復手段を持たないことになってしまう。
この埋め合わせのために、NASAは国際宇宙ステーションへの往復するロケットの開発・運用を民間委託することに決定した。
このプログラムをCOTSという。



EFT-1

オリオン宇宙船を宇宙空間に打ち上げる初の無人テストが2014年12月5日に実施された。
このテストをEFT-1(Exploration Flight Test 1)という。
耐熱シールド、姿勢制御、クルーの安全性、パラシュートの動作の確認や評価がEFT-1の目的だ。
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参考文献・サイト

Constellation Program
Orion Crew Vehicle
COTS

2010/04/24
2014/09/14
2014/12/06



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