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オゾン層を語る。

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オゾン層とは

呼吸に利用されている酸素分子は、二つの酸素原子が結合してできている。
これに対し、二つの酸素原子が結合した分子をオゾンという。
分子式ではO3と表記する。



大気圏内のオゾンの90%は、成層圏内に存在している。
これらは、層状に分布していることからオゾン層と呼ばれている。



オゾンは高空で生成される。
太陽からの紫外線を受けて、酸素分子が二つの酸素原子に分離する。
この酸素原子が、他の酸素分子と結合してオゾンになるのだ。



オゾン層は高度約15kmから35kmの上空にあるが、高さや厚みは季節や地域によって変化する。
太陽からの紫外線量が季節・地域によって違う上、成層圏内の大気の移動に影響されるからである。



オゾン層は、赤道上空は薄く、中緯度から高緯度地方の上空で濃くなる。
これは直感に反する。オゾン層は太陽からの紫外線で出来るので、赤道上空のオゾン密度が高いと直感しやすい。しかし、これは誤りなのだ。



成層圏内にも、わずかながら大気の移動がある。
赤道上空は太陽からの紫外線が多いので、オゾンは活発に生成される。
このオゾンは大気の移動によって、高緯度へと運搬されるのだ。



この気流は高緯度へ向かうに従い、高度を下げていく。
このため、赤道上空のオゾン層の高度に比較して、高緯度地方でのオゾン層の高度は低い。



オゾン層の密度のピークは夏ではなく、春である。
これも成層圏内の大気の移動の影響でピークがずれるのだ。
オゾン層の密度が最低になる時期も冬ではなく、秋である。



オゾンは紫外線を吸収するという働きを持っている。
紫外線を吸収して、オゾンは酸素分子と酸素原子に分離するのだ。
分離した酸素原子は他の酸素分子を見つけて結合し、再度オゾンになるのである。



オゾン層内のオゾンの作用によって、太陽からの紫外線の97%〜99%が吸収される。
つまり、太陽からの紫外線で地上に達するのは3〜1%程度なのである。
(大気中での吸収を無視するとして)



紫外線は殺菌にも使用されることから、生命にとって有害であることが分かる。
大量の紫外線を浴びれば、DNAが損傷するため、人体や動植物にも悪影響がでる。



オゾン層が10%減少すると、皮膚ガンが20%増加するという研究結果もある。



太古、地球の大気内には酸素はなかった。
オゾンは酸素分子から生成されるので、当然オゾン層もなかった。
そのため、地表には紫外線が降り注ぎ、生命が棲める環境ではなかったのだ。



海中で光合成生物が誕生すると、二酸化炭素から酸素が作られた。
最初、酸素は海中での金属原子との化学反応によって費やされ縞状鉄鉱層を作ったが、やがて大気中にも放出されていった。



大気中に酸素が満ちてくると、紫外線の作用でオゾン層が形成された。
オゾン層のおかげで地表にくる紫外線が減り、海中の生命が陸上生物へ進化する環境が整ったのである。



オゾン層はクロロフルオロカーボン(CFC)によって破壊される。



オゾン層が破壊されると、地表に到達する紫外線量が増えるので皮膚ガン等の増加が懸念される。
このため、CFCの製造は国際的に禁止された。
しかし、廃棄されたフロンガスのため、オゾン層の破壊が進んでいる。

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参考文献・サイト

国立環境研究所
気象庁

2008/03/28
2015/05/22



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