古第三紀を語る。
新生代は、古い側から古第三紀、新第三紀、第四紀の3つの紀に分割される。
古第三紀は新生代の中で最も古い地質年代である。
代 | 紀 | 世 | 始まり |
新生代 | 第四紀 | 完新世 | 1万1500年前 |
更新世 | 180万年前 | ||
新第三紀 | 鮮新世 | 533万年前 | |
中新世 | 2300万年前 | ||
古第三紀 | 漸新世 | 3390万年前 | |
始新世 | 5580万年前 | ||
暁新世 | 6550万年前 |
従来、新生代は第三紀と第四紀の二つで構成されていた。
現在では第三紀は古第三紀、新第三紀に分割されたため、第四紀と合わせて新生代は3つの区分から構成されている。
なお、古第三紀、新第三紀を合わせて第三紀と呼ぶ場合がある。
これは慣例であって、第三紀は地学・地質学の正式な用語ではない。
古第三紀は約4300万年続いた。
古第三紀の特徴は、哺乳類の発展と多様化にある。
哺乳類は恐竜滅亡後に誕生したと誤解している人を時々見かける。
これは誤りだ。
恐竜の時代から哺乳類はいた。 しかし、体が小さかったのだ。
恐竜の滅亡によって、天敵のいなくなった哺乳類はだんだんと大型化した。
鳥類も同様に古第三紀に発展した。
暁新世と始新世の境界で急激な温暖化が起こった。 この出来事をPTEMという。 この高温状態は10万年間継続した。
同時に現代の種に近い哺乳類が出現した時点から始新世がスタートする。
暁新世
古第三紀は暁新世ではじまる。
恐竜が絶滅したため、哺乳類と鳥類が広まった。
鳥類の一部は飛ぶことを止め、地上に棲む肉食鳥になった。
この肉食鳥に狙われることから、恐竜が絶滅しても哺乳類は決して安息ではなかった。
グリーンランド北米からの分離を開始した。
ロッキー山脈が形成が始まった。
アフリカは北上しヨーロッパとの間隔を狭めていった。
この影響でテティス海が小さくなった。
北米の内海も縮小した。
始新世
暁新世が終わると始新世がはじまった。
同時に現代の種に近い哺乳類が出現した時点から始新世がスタートする。
始新世の初期には気温が急速に上昇した。
この出来事をPTEMという。
気温が10万年で7度も上昇した。
この状態は少なくとも10万年続いた。
赤道付近と極域の気温差は現在の半分程度であった。
深海の海流の温度も暖かであったらしい。
熱帯の気候は南北緯度45度付近までカバーしていた。
地球全体で雨が多かった。
この環境変化が動物相、植物相を一変した。
漸新世
巨大な隕石の衝突によって大量絶滅が発生し、始新世は終わった。
漸新世になると、気候は少しずつ冷え始めた。
アフリカ大陸がヨーロッパを圧迫したため、アルプス山脈が形成された。
南アメリカと南極が完全に分離されたことにより、南極還流が生まれた。
スポンサーリンク
参考文献・サイト
University of California Museum of Paleontology
The Paleogene
2008/04/09
2009/04/05