M87(メシエ87)を語る。
M87(メシエ87)とは
M87は、おとめ座の楕円銀河である。
1781年にメシエによって発見された。
直径は12万光年であり、中央に活動銀河核を持つ。
M87はおとめ座銀河団の中核的な存在で、地球から5000万光年の距離にあり、その周囲には約1,000個の球状星団を従えている。
おとめ座の楕円銀河M87
出展:APOD
M87(メシエ87)と活動銀河核
M87は、おとめ座にある巨大な楕円銀河で、質量は我々の銀河の100倍もある。
元々、おとめ座の領域にある強力な電波源をおとめ座Aと呼んでいたが、観測機材の性能の向上とともに、おとめ座Aの実体がM87であることが判明した。
M87の中心に太陽質量の30〜60億倍のブラックホールが存在し、このブラックホールに落ち込むガスやダストがジェットとなって1万光年先まで噴出している。
活動銀河核はガスやダストの降着円盤に取り巻かれていて、そこからブラックホールにエネルギーを供給するがM87の中心部には目立った降着円盤がない。
エックス線天文衛星チャンドラの観測によって、M87の周囲にはエックス線を放射する高温のガスがリング状に取り巻いていることが分かった。
このリングはM87からジェットが噴き出すときの衝撃によって生したもので、リングの分布の様子から大規模なジェットは600万年ごとに発生していることが判明した。
M87はガンマ線源でもあるが、ガンマ線の強度が数日のうちに変動することも確認されている。
これはガンマ線がM87の中心部の巨大質量ブラックホールの周辺の非常に狭い領域から放射されていることを意味している。
M87(メシエ87)の中心ブラックホール
銀河系の中心には、太陽の400万倍の質量を持つ巨大ブラックホールが存在する。
ほとんどの銀河は中心に巨大ブラックホールを持つが、M87の中心のブラックホールは極めて巨大だ。
太陽質量の30〜60億倍もある。
M87(メシエ87)とおとめ座銀河団
M87は、約2000個の銀河と共におとめ座銀河団を構成する。
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参考文献・サイト
SEDS:THE MESSIER CATALOG
APOD:Elliptical Galaxy M87
2007/08/24
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2015/09/10