おとめ座を語る。
おとめ座は、春の星座である。
黄道十二星座の一つで、しし座とてんびん座の間にある。
黄道とは太陽の通り道のことだ。
9月後半から10月後半にかけて、太陽はおとめ座の領域を通過する。
おとめ座は、正義の女神アストレイアに由来する星座である。
アストレイアが持っていた天秤がてんびん座となった。
全天の88星座の中で、2番目に広い面積を持つ。
おとめ座の起源は古い。
トレミーの48星座の一つにもなっている。
トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。
しかし、18世紀に、トレミー48星座の中のアルゴ座がラカイユによって分割された。
おとめ座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。
おとめ座の主な恒星
スピカ [α Vir]
おとめ座のα星をスピカという。
ケフェウス座β型の脈動変光星であり、同時に食変光星でもある。
太陽系から260光年も離れているのに、全天で15番目の明るさを持つ。
これは、スピカ自身が太陽の2300倍も明るいからである。
[..さらに詳しく見る..]
おとめ座γ [γ Vir]
おとめ座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から39光年の距離に連星である。
二つF型星が約169年の周期で公転する。
おとめ座δ [δ Vir]
おとめ座ε [ε Vir]
おとめ座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から102光年の距離にあるG型星である。
おとめ座の主な星雲・星団
M49
M49は銀河系外星雲である。
銀河系から4900万光年離れた楕円銀河である。
直径は16万光年と巨大だ。
6000個程度の球状星団を持つらしい。
M58
M58は銀河系外星雲である。
銀河系から6800万光年離れた棒渦巻銀河である。
M59
M59は銀河系外星雲である。
おとめ座銀河団のメンバーだ。
直径9万光年で、M49やM60よりも小型である。
M60
M60は銀河系外星雲である。
銀河系から5500万光年離れた楕円銀河である。
おとめ座銀河団のメンバーであり、この銀河団の中で3番目に大きい。
直径は12万光年である。
M61
M61は銀河系外星雲である。
おとめ座銀河団のメンバーだ。
直径は10万光年である。
M84
M86
M87
M87は銀河系外星雲である。
銀河系から5500万光年離れた楕円銀河である。
おとめ座銀河団のメンバーである。
M87を電波源と見た場合、M87をおとめ座Aと呼ぶ。
M89
M89は銀河系外星雲である。
銀河系から5500万光年離れた楕円銀河である。
おとめ座銀河団のメンバーである。
M90
M90は銀河系外星雲である。
銀河系から6000万光年離れた渦巻銀河である。
おとめ座銀河団のメンバーである。
M104
M104は銀河系外星雲である。
ソンブレロ星雲と呼ばれている。
おとめ座銀河団
約2000個の銀河から構成される銀河団である。
おとめ座銀河団は、局部超銀河団の中核になっている。
我々の銀河系を含む局部銀河群も、局部超銀河団の構成メンバーである。
おとめ座の流星群
おとめ座η群
2月24日から3月27日にかけて出現する。
おとめ座θ群
3月10日から4月21日にかけて出現する。
おとめ座π群
2月13日から4月8日にかけて出現する。
おとめ座のその他の天体
おとめ座R [R Vir]
おとめ座Rは、ミラ型の脈動変光星である。
375日で6.3等から13.2等の範囲で変光する。
おとめ座S [S Vir]
おとめ座Sは、ミラ型の脈動変光星である。
146日で6.1等から12.1等の範囲で変光する。
おとめ座 A
M87は強い電波を放っている。
M87を電波源と見た場合、これをおとめ座Aと呼ぶ。
PG 1159-035 [GW Vir]
PG 1159-035は白色矮星になりかけの天体である。
変光星でもあるので、GW Virという名称も持つ。
スポンサーリンク
参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
Chandra X-ray Observatory
The Virgo Cluster of Galaxies
2008/05/04