極超新星を語る。
1998年4月、奇妙な天体が遠方の銀河の中で発見された。
この天体は超新星として分類されSN 1998bwと命名されたが、通常の超新星ではあり得ない光度で輝き、爆発で飛散するガスのスピードも光速の10%に達していた。
この天体SN 1998bwの発見によって、今まで知られていなかった新たな超新星の種類が存在することが分かった。
この種の超新星は極超新星、またはハイパーノバと呼ばれるようになった。
極超新星とは
恒星が末期に起こす大爆発を超新星という。
超新星は星の種類ではなく、現象を指す言葉である。
一つの銀河に100年に1個のペースで超新星は出現する。
超新星のうち、通常よりも極めて明るくなる超新星を極超新星という。
通常の超新星と極超新星は単にスケールが違うのではない。
発光のメカニズムが異なっている。
スペクトルの観測で確認される吸収線の幅が、超新星よりも非常に幅が広いのが特徴である。
太陽の20倍以上も重い恒星が重力崩壊を起こして爆発する現象である。
1970年代にガンマ線バーストが発見されたが、その正体は30年以上に渡って不明であった。
ガンマ線バーストは、極超新星の出現に伴っていることが確実視されている。
極超新星の例
SN1997ef
やまねこ座の銀河UGC4107に出現した極超新星である。
SN1998bw
ぼうえんきょう座の銀河ES0 184-G82に出現した極超新星である。
この極超新星はガンマ線バーストとして発見されたため、GRB980425というコードも持つ。
SN2002ap
うお座の渦巻銀河M74に出現した極超新星である。
SN2003dh
この極超新星はガンマ線バーストとして発見されたため、GRB030329というコードも持つ。
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参考文献・サイト
国立天文台・天文ニュース (190)
国立天文台・天文ニュース (522)
A Hypernova: The Super-charged Supernova and its link to Gamma-Ray Bursts
2008/06/14