カロン(冥王星の衛星)を語る。
カロンはどのような衛星なのか
冥王星には5つの衛星が確認されている。
その中の最大の衛星がカロンだ。
1978年6月22日、ジェームズ・クリスティーによって発見された。
冥王星の英語名プルートーは冥府の王プルートーに由来する。
これと対比するため、冥府の川の番人カロンに由来して衛星もカロンと命名されたのだ。
カロンの表面は氷に包まれていることが、赤外線スペクトルによって判明した。
これに対し、冥王星の表面はメタンである。
冥王星とカロンは常に同じ面を向かい合わせている。
つまり冥王星の空をカロンは移動しないのだ。
冥王星の表面でカロンが見えない地域は、永久にカロンが見えない。
カロンが天頂に見える地域では、カロンは永久に天頂にある。
冥王星のサイズに対してカロンは大きい(直径1186キロメートル)。そして重い。
そのため、冥王星とカロンの共通の重心は冥王星の外に出てしまっている。
冥王星の周囲をカロンが公転するのではなく、冥王星とカロンが周り合っているのだ。
かつて存在したカロンの地下の海
タイタン、エンケラドス、エウロパ、ガニメデ、カリストは地下に海を持つ衛星である。
惑星からの引力の強さが公転によって変化するので、潮汐力によって衛星が歪んでしまう。
これが地下に摩擦熱をため込み、氷を溶かして海をつくるのだ。
冥王星とカロンは共鳴状態にあるが、かつてカロンは楕円軌道で冥王星の周囲を公転してた可能性が高い。
当然、冥王星からの潮汐力も受けたはずだ。
ならば、他の衛星たちと同様、カロンの地下にも海があったかもしれない。
現在の冥王星とカロンの位置関係では潮汐力は期待できない。
かつて海があったとしても、現代では凍りついてしまっているだろう。
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参考文献・サイト
New Horizons Mission to Pluto | NASA
Solar System Exploration
What Is Pluto?
2014/08/28