ニュー・ホライズンズを語る。
ニュー・ホライズンズ
ニュー・ホライズンズは史上初の冥王星探査機である。
冥王星探査後は、他の太陽系外縁天体も探査する。
2006年1月19日、ケープカナベラル空軍基地からアトラスV型ロケットで打ち上げられた後、順調な飛行を続け、2015年7月14日の冥王星到達を目指している。
打ち上げから9時間で月軌道を、13か月後に木星軌道を通過し史上最短の記録を樹立した。
ニュー・ホライズンズは、2007年2月に木星に接近して探査し、
2014年8月25日に海王星軌道を通過した。
偶然にも、ボイジャー2号の海王星到達からちょうど25周年に当たる。
冥王星は太陽からあまりにも遠いため、太陽電池は使えない。このためニュー・ホライズンズの動力源は原子力電池だ。
さらに通信速度が低速であるため、観測データはニュー・ホライズンズ内部のフラッシュメモリにいったん格納され、数か月をかけて地球に送られてくる。
2015年2月から8月にかけて、冥王星とカロンを探査する。
特に7月にはカロンの軌道の内側にはいる計画である。
冥王星を離れたあとはエッジワース・カイパーベルト内の探査が計画されている。
冥王星を含め海王星以遠の天体は、太陽系が誕生したころの物質の生き残りである。
これらを探査することでエッジワース・カイパーベルトの進化や太陽系誕生の謎に迫ることができるのだ。
ニュー・ホライズンズが打ち上げられた時(2006年1月)、冥王星はまだ惑星の一つに分類されていた。
このため、ニュー・ホライズンズが冥王星探査を成功させれば、米国が9個の惑星すべてを探査した国になるはずであった。
ところがこの年の8月、国際天文学連盟の総会で惑星の定義が決定され、これに適合できなかった冥王星が準惑星に分類されてしまったのである。
ニュー・ホライズンズは初の準惑星探査機になるかと思ったら、今度はドーンが先にケレスに到達してしまい、再び「初の〜」を逃してしまった。
結局、ニュー・ホライズンズは初のエッジワース・カイパーベルト天体の探査機になるのである。
ニュー・ホライズンズの計測機器
ニュー・ホライズンズには7つの計測機器が搭載されている。
Ralph
可視光線と赤外線のカメラ、スペクトロメータで、カラー画像と組成と熱の地図を作成する。
Alice
REX (Radio Science EXperiment)
気の温度や組成を分析する。
LORRI (LOng Range Reconnaissance Imager)
望遠カメラ。高い解像度で冥王星の地形を撮影する。
SWAP (Solar Wind Around Pluto)
冥王星付近の太陽風を観測し、太陽風と冥王星の相互作用や冥王星から大気が失われていく速度を調査する。
PEPSSI (Pluto Energetic Particle Spectrometer Science Investigation)
冥王星の大気から喪失するプラズマを測定する。
VBSDC (Venetia Burney Student Dust Counter)
宇宙塵の分布を調査する。この装置はコロラド大学の学生によって開発され運用されている。
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参考文献・サイト
JHU/APLNew Horizons Web Site
NASA Selects New Frontiers Mission Concept Study
NASA:New Horizons
NASA:New Horizons Fact Sheet
2009/05/05
2014/08/25
2015/05/05