かじき座を語る。
かじき座は、南天の星座である。
日本からは、ほとんど見ることができない。
「かじき」とは魚類のカジキを意味する。
かじき座は、南半球を航海したケイセルとハウトマンによってもたらされた12星座の中の一つである。
魚のカジキを表現した星座である。
かじき座を含む12星座は、プランシウスの星図に登場し(1598年)、その後バイエルのウラノメトリアに収録された(1603年)。
かじき座の設定者はバイエルになっている。
また、12星座はすべて現在の88星座に引き継がれている。
かじき座の主な恒星
かじき座α [α Dor]
かじき座で最も明るい恒星である。
太陽系から176光年の距離にあるA型星である。
かじき座β [β Dor]
かじき座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から1038光年の距離にあるF型星である。
かじき座γ [γ Dor]
かじき座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から66光年の距離にあるF型星である。
かじき座R [R Dor]
ミラ形の変光星である。
太陽系から200光年の距離にある。
現在確認された中では、最も視直径が大きな恒星である。
(実直径ではない)
かじき座の主な星雲・星団
大マゼラン雲[LMC]
銀河系の伴銀河である。
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NGC1714
NGC1714は、大マゼラン雲の内部にある惑星状星雲である。
太陽系からの距離は16万光年である。
NGC1715
NGC2070は、大マゼラン雲の内部にある散光星雲である。
NGC1850
NGC2070は、大マゼラン雲の内部にある散開星団である。
かじき座の散開星団NGC1850
出展:NGC 1850: Not Found in the Milky Way
NGC 2070
NGC2070は、大マゼラン雲の内部にある散光星雲 (輝線星雲)である。
かじき座の散光星雲NGC2070(タランチュラ星雲)
出展:The Tarantula Nebula
タランチュラ星雲、または毒グモ星雲とも呼ばれている。
1000光年のサイズで18万光年離れている。
かじき座のその他の天体
SN 1987A
大マゼラン雲で発見された超新星である。
肉眼で確認できる超新星の出現は、ケプラーの超新星(SN 1604)以来である。
この超新星爆発に伴ってニュートリノバーストが発生し、カミオカンデで検出された。
超新星爆発に伴うニュートリノが観測された初のケースである。
PSR J0537-6910
パルサーのパルス間隔は極めて正確である。
その一方で、突然、パルス間隔が短くなる現象がある。
つまり、パルサーの自転スピードが急にアップするのである。
この現象を「グリッチ」という。
パルサーの内部は超流動体になっており、この超流動体の回転するスピードとパルサーの表面の自転スピードの不一致が原因らしい。
PSR J0537-6910は、最も高い頻度でグリッチを起こしているパルサーである。
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参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
SEDS:NGC 2070
SEDS:The Large Magellanic Cloud, LMC
2008/05/25
2010/07/23