ホーキング織野の

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たて座を語る。

トップページ銀河系の目次星座88星座たて座

たて座は、夏の星座である。
「たて」とは「盾」または「楯」のことである。



たて座は、ポーランドの天文学者ヘベリウスによって設定された10星座のうちの一つである。
10星座のうち、たて座を含む7星座が現在の88星座に引き継がれている。



たて座は、いて座わし座の間にある星座である。
天の川の中で4等級以下の星が、細長い平行四辺形に配列している。
たて座は、小型の星座であり、全天で5番目に面積が狭い。

たて座
出展:IAU




当初、ヘベリウスはたて座を「ソビエスキーの楯座」と命名した。
これは元々、たて座が、ポーランドの王ヤン3世ソビエスキーがウイーンでオスマントルコの大軍を撃退したことを記念するために作られたものだからだ。

1679年にヘベリウスの天文台が消失したとき、再建を援助したのもソビエスキーであった。



たて座は、神話ではなく、史実に基づいて設定された珍しい星座である。




たて座6月群という流星群の輻射点がある。




たて座の主な恒星

たて座は、暗い星ばかりだ。
最も明るいたて座αでも3.85等である。



たて座α [α Sct]

たて座αは、たて座で最も明るい恒星だ。
太陽系から174光年の距離にあるK型の星である。
変光星でもある。



たて座β [β Sct]

たて座βは、たて座で二番目に明るい恒星である。
太陽系から690光年の距離にある恒星である。
4.2等のG型星の周囲を、8.5等のB型星が834日で公転する連星である。



たて座γ [γ Sct]

たて座γは、たて座で4番目に明るい恒星である。
太陽系から291光年の距離にあるA型の恒星である。



たて座δ [δ Sct]

たて座δ型変光星の代表例である。
太陽系から187光年の距離にある。
3重星でもある。



たて座の主な星雲・星団

たて座にはメシエ天体が二つある。



M11

M11(NGC6705)は、野鴨星団とも呼ばれる散開星団である。
散開星団としては、密集度の高い天体である。
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M26

M26(NGC6694)は22光年の広がりを持つ散開星団である。
太陽系からの距離は5000光年で、誕生後8900万年と見積もられている。
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NGC6712

NGC6712は球状星団である。
太陽系からの距離は2万2000光年と見積もられている。




IC1287

IC1287は反射星雲である。

反射星雲輝線星雲とは異なり、電離しているのではなく、恒星の光を反射しているだけである。
反射星雲輝線星雲を合わせて散光星雲と呼ぶ。




たて座のその他の天体

たて座R [R Sct]

おうし座RV型の脈動変光星である。
M11の北西にあって、5.0から8.4等まで144日で変光する。
1795年にピゴットによって発見された。




たて座V476 [V476 Sct]

高尾明氏、長谷田勝美氏が、2005年9月30日にたて座に発見した新星である。




たて座V477 [V477 Sct]

長谷田勝美氏が、V476 Sctと同じ日(2005年9月30日)にたて座に発見した新星である。




スモール・スター・クラウド

たて座付近の天の川は一段と明るくなっている。
この領域をスモール・スター・クラウドという。




PSR B1829-10

PSR B1829-10はパルサーである。
1991年、このパルサーの周囲に惑星があるという説が出された。
翌年、この説は誤りであることが確認された。


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参考文献・サイト

Constellations
Star Tales
BBC:Constellations
AAVSO

2008/05/23
2010/05/30



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