りゅうこつ座を語る。
りゅうこつ座とは
りゅうこつ座は南天の星座である。
竜骨(りゅうこつ)とは、船舶・造船の用語で、船首から船尾へ向けて船底を通す構造材のことをいう。
りゅうこつ座はギリシア神話に登場するアルゴ船の竜骨に由来する星座だ。
かつて、アルゴ船を表したアルゴ座があった。
りゅうこつ座は、元々このアルゴ座の竜骨(りゅうこつ)の部分に相当する星座なのである。
アルゴ座は、あまりに巨大な星座だったので、ラカイユによって、ほ座・とも座・りゅうこつ座・らしんばん座に分割された。
アルゴ座は、トレミー48星座のひとつである。
トレミー48星座のうち、アルゴ座を除く47星座が現在の88星座に採用されている。
りゅうこつ座のバイエル符号
恒星にはα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)・・・のようにギリシア語の文字が割り当てられている。
この記号がバイエル符号だ。
バイエル符号は一つの星座の中で、明るい星からα、β、γ・・・と付けられていくのが原則だ。
りゅうこつ座のバイエル符号は、アルゴ座の時代に与えられ、分割後はそのままアルゴ座のバイエル符号が引き継がれた。
α星、β星はりゅうこつ座の領域だったためそのまま残ったが、γ星以下は飛び飛びの記号になっている。
バイエル記号 | 読み方 | りゅうこつ座 | ほ座 | とも座 |
α | アルファ | ○ | ||
β | ベータ | ○ | ||
γ | ガンマ | ○ | ||
δ | デルタ | ○ | ||
ε | イプシロン | ○ | ||
ζ | ゼータ | ○ | ||
η | エータ | ○ | ||
θ | シータ | ○ | ||
ι | イオタ | ○ | ||
κ | カッパ | ○ | ||
λ | ラムダ | ○ | ||
μ | ミュー | ○ | ||
ν | ニュー | ○ | ||
ξ | クシー | ○ | ||
ο | オミクロン | ○ | ||
π | パイ | ○ | ||
ρ | ロー | ○ | ||
σ | シグマ | ○ | ||
τ | タウ | ○ | ||
υ | ウプシロン | ○ | ||
φ | ファイ | ○ | ||
χ | カイ | ○ | ||
ψ | プシー | ○ | ||
ω | オメガ | ○ |
らしんばん座はアルゴ座のなかで最初からバイエル符号がなかった領域だったので、88星座を決定したときに新たにバイエル符号が与えられた。
りゅうこつ座の主な恒星
カノープス [α Car]
りゅうこつ座のα星をカノープスという。
カノープスは、おおいぬ座のシリウスに次いで、全天で2番目に明るい恒星である。
南天の星のため東京でも2度程度の高度にしかならず、非常に見つけにくい。
中国では、この星を見ると長生きするという言い伝えがあり、南極老人星とも呼ばれている。
太陽系から310光年の距離にある。
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りゅうこつ座β [β Car]
りゅうこつ座で2番目に明るい太陽系
恒星である。
太陽系から111光年の距離にあるA型星である。
りゅうこつ座βはミアプラキドゥスという固有名を持つ。
アラビア語とラテン語の合成語で「静かな水」という意味だ。
りゅうこつ座ε [ε Car]
りゅうこつ座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から632光年の距離にあるK型星である。
ヴィオールとも呼ばれている。
りゅうこつ座η [η Car]
りゅうこつ座ηは、太陽質量の120倍の超巨星だ。
7500光年の距離にある。
これまでに何回か異常な増光が観測されている。
特に1841年の増光は顕著でありマイナス0.8等にまで達した。
りゅうこつ座の主な星雲・星団
りゅうこつ座にはメシエ天体はないが、次の星団・星雲が有名である。
NGC2808
NGC2808はりゅうこつ座の球状星団である。
100万個の恒星を含む年齢125億年の星団だ。
銀河系に衝突しつつある矮小銀河だとする説もある。
- NGC2516
- NGC3114
- NGC3293
- NGC3532
- IC2602
- NGC2867
りゅうこつ座の流星群
りゅうこつ座η群
1月14日から27日にかけて出現する流星群である。
1961年に発見された。
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参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
Chandra X-ray Observatory
AAVSO
2008/05/19
2009/10/23
2015/09/01