おおいぬ座を語る。
おおいぬ座は、冬の星座である。
全天で最も明るい恒星シリウスはおおいぬ座にある。
おおいぬ座はオリオン(オリオン座)がつれている猟犬と考えられている。
トレミーの48星座の一つでもある。
トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。
しかし、18世紀に、トレミー48星座の中のアルゴ座がラカイユによって分割された。
おおいぬ座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。
おおいぬ座の位置と見つけ方
おおいぬ座は、オリオン座の南東(左下)にある。
おおいぬ座を見つけには、シリウス(おおいぬ座α)を見つければいい。
オリオン座を見つけたら、ベテルギウスから冬の大三角形を見つける。
冬の大三角形の南端がシリウスだ。
シリウスは全天で最も明るい恒星なので、容易に発見できる。
おおいぬ座はオリオン座の南東(左下)にあるが、おおいぬ座とオリオン座は、境界を接していない。
おおいぬ座の主な恒星
シリウス [α CMa]
19世紀前半、ベッセルはシリウスがフラフラ動く現象を解析し、未知の伴星の存在を予言した。
公転する伴星が引力によって、シリウスを引っ張るからフラフラすると考えたのだ。
その後、1862年にクラークがシリウスは実視連星であることを眼視観測によって確認した。
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おおいぬ座ε [ε CMa]
おおいぬ座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から431光年の距離にあるB型星である。
おおいぬ座β [β CMa]
おおいぬ座βはミルザムという別名を持つ。
アラビア語で「予告するもの」という意味だ。
おおいぬ座βは、約6時間周期で変更するセファイド型の変光星である。
太陽系から500光年の距離にあるB型星である。
おおいぬ座γ [γ CMa]
おおいぬ座γはムリフェインという別名を持つ。
太陽系から402光年の距離にあるB型星である。
おおいぬ座δ [δ CMa]
おおいぬ座で3番目に明るい恒星である。
ウェズンという固有名を持つ。
太陽系から1791光年の距離にあるF型星である。
おおいぬ座の主な星雲・星団
M41
M41は約100個の恒星を含む散開星団である。
おおいぬ座で唯一のメシエ天体だ。
およそ25光年の広がりを持ち、その中には数個の赤色巨星が含まれている。
年齢は2億年と見積もられている。
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NGC2362
NGC2362は小型の散開星団である。
約60個の恒星を含む。
年齢は2500万年と極めて若い。
NGC2359
NGC2359は、おおいぬ座の輝線星雲である。
約30光年の大きさのガスが、中心のウォルフライエ星の放射によって輝いている。
太陽系からの距離は1万5000光年だ。
おおいぬ座矮小銀河
おおいぬ座矮小銀河は、銀河系に最も近い銀河であり、銀河系に吸収されつつある。
うさぎ座の球状星団M79は、元々、おおいぬ座矮小銀河に属していたが、吸収されるときに、銀河系に移籍したのである。
おおいぬ座のその他の天体
おおいぬ座VY [VY CMa]
おおいぬ座VYは赤色超巨星である。
現在確認されているなかで、最も大きなサイズの恒星だ。
おおいぬ座VYの直径は太陽の約2000倍もある。
仮におおいぬ座VYを太陽と置き換えると、土星の軌道が飲み込まれてしまう。
極超新星爆発を起こす可能性が指摘されている。
仮に爆発しても4900光年離れているので地球への危険はない。
PSR J0737-3039
二つのパルサーから構成されるパルサーの連星である。
周期23ミリ秒と2.8秒のパルサーが、2.4時間で回りあっている。
2003年に発見された。
二つのパルサーの公転軌道は、一日に7mmずつ狭くなっていく。
このペースで狭くなっていくと、8500万年後に二つのパルサーは衝突する。
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参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
Chandra X-ray Observatory
BBC:Constellations
SEDS:Messier 41
SEDS:NGC 2362
2008/05/13
2009/10/19