いっかくじゅう座を語る。
いっかくじゅう座は、冬の星座である。
架空の生物「一角獣(ユニコーン)」を表した星座だ。
おおいぬ座とこいぬ座の間にあるので、場所は分かりやすい。
しかし、いっかくじゅう座で最も明るい星でも4等級なので、星座の形はイメージしにくい。
いっかくじゅう座は、バルチウスによって設定された星座のうちの一つである。
バルチウスの星座のうち、いっかくじゅう座を含む4星座が、現在の88星座に引き継がれている。
目立つ星がないが、ばら星雲が有名であるため、いっかくじゅう座は比較的知られている。
いっかくじゅう座は、天の赤道の上にある。
いっかくじゅう座の主な恒星
いっかくじゅう座β [β Mon]
いっかくじゅう座で最も明るい恒星である。
太陽系から691光年の距離にあるB型星である。
いっかくじゅう座α [α Mon]
いっかくじゅう座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から144光年の距離にあるK型星である。
いっかくじゅう座γ [γ Mon]
いっかくじゅう座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から644光年の距離にあるK型星である。
いっかくじゅう座の主な星雲・星団
M50
M50は散開星団である。
M50中で最も明るい星の年令は7800光年と見積もられている。
散開星団は若い恒星が多いが、M50の中には老齢の赤色巨星もある。
いっかくじゅう座で唯一のメシエ天体である。
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NGC2244
散開星団である。
この星団の周囲を取り囲んでいるガス星雲をバラ星雲という。
NGC2237
ばら星雲として知られる散光星雲である。
いっかくじゅう座の流星群
いっかくじゅう座α群
11月21日ごろに極大を迎える流星群である。
10年に一度の周期で、1時間に100個程度の出現を示す。
しかし、出現時間は1時間にも満たない。
今まで、1925年、1935年、1985年、1995年に観測された。
いっかくじゅう座α群の母天体は分かっていない。
いっかくじゅう座12月群
11月9日から12月18日まで活動する。
肉眼で観測できる数は1時間に2個程度である。
いっかくじゅう座のその他の天体
いっかくじゅう座U [U Mon]
おうし座RV型の変光星である。
5.1等から7.1等の範囲で変光する。
92日と2475日の二つの周期が重なっているらしい。
いっかくじゅう座R [R Mon]とハッブルの変光星雲
11等級から13等級の範囲で変光する。
この星はNGC2261に包まれている。
いっかくじゅう座Rの影響を受け、NGC2261も明るさや形を変える。
このためNGC2261はハッブルの変光星雲とよばれている。
いっかくじゅう座Rは星ではなく、高密度のガスではないかという主張もある。
いっかくじゅう座S [S Mon]
若い高温星で周囲には、星間ガスが多く漂っている。
HR 2422
プラスケット星とも呼ばれている。
分光連星である。
ルテイン星
こいぬ座との境界付近にある赤色矮星である。
いっかくじゅう座V838 [V838 Mon]
2002年に突然増光した。
当初は新星と認識されたが現在は新星とはみなされていない。
諸説はあるものの、増光のメカニズムは分かっていない。
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参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
AAVSO
SolStation.com:Luyten's Star
2008/05/23