じょうぎ座を語る。
じょうぎ座とは
じょうぎ座は、南天の星座である。
さそり座のすぐ南側にあるが、日本からは、非常に見にくい。
「じょうぎ」とは「定規」の意味である。
じょうぎ座はラカイユが設定した。
1751年から52年にかけてラカイユは、喜望峰に滞在し南天の恒星や星雲・星団を観測した。
このときラカイユは14の星座を新設したのだ。
じょうぎ座は、その中の一つである。
じょうぎ座にはα(アルファ)星がない
全天の88星座の中でα(アルファ)星がない星座が4つある。
じょうぎ座はその一つだ。
しかもα星だけでなくβ(ベータ)星もないのだ。
恒星を表すのに、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)・・・といったギリシア語を利用する。これをバイエル符号という。
17世紀にバイエルが全天星図(ウラノメトリア)を発行した。
このとき星座ごとに明るさの順でアルファ、ベータ、ガンマとギリシャ文字を与えたことが始まりだ。
その後、多くの天文学者が独自に星座を考案した時期があった。
星座が乱立したために、星座がお互いに重なり合ってしまい、天文学界は混乱してしまった。
そこで国際天文学連盟が星座の世界標準をつくることになった。
1928年の総会で88星座が制定され、同時に各星座には境界線が定まった。
天球はどの部分をとってみても、かならずどこかの星座の領域なのだ。
境界線を引いた時、じょうぎ座のα星・β星の位置はさそり座の領域に含まれてしまった。
このため、じょうぎ座のα星・β星はじょうぎ座に所属することができなくなり、α星はさそり座N星に、β星はさそり座H星に改名されたのである。
星そのものの位置は変わっていないのに、境界線内に入れなかったため、となりの星座の所属になったのである。
じょうぎ座の主な恒星
じょうぎ座γ2 [γ2 Nor]
じょうぎ座で最も明るい恒星である。
太陽系から127光年の距離にあるG型星である。
じょうぎ座γ1と見かけの重星になっている。
じょうぎ座ε [ε Nor]
じょうぎ座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から400光年の距離にあるB型星である。
じょうぎ座ι [ι Nor]
じょうぎ座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から140光年の距離にあるA型星である。
じょうぎ座の星雲・星団
じょうぎ座にはメシエ天体がない。
NGC6067
散開星団である。
NGC6087
散開星団である。
NGC6167
散開星団である。
じょうぎ座の流星群
じょうぎ座流星群
3月11日から3月21日にかけて出現する流星群である。
じょうぎ座のその他の天体
RCW103
約2000年前に爆発した超新星の残骸で約1万光年の距離にある。
中心の中性子星は、非常に遅いX線パルサーである。
その周期は6.67時間と長い。
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参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
SpaceDaily:Supernova Leaves Behind Mysterious Object
2008/05/26
2015/08/25