ケンタウルス座を語る。
ケンタウルス座は、春の星座である。
南に低く、日本からは非常に見にくい。
ケンタウルスとは上半身が人間、下半身が馬である伝説上の一族の名称である。
ケンタウルス座は、ケンタウルス族に由来する星座である。
いて座の由来となったケイロンもケンタウルス族の一人である。
ケンタウルス座は、トレミーの48星座の一つでもある。
トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。
しかし、18世紀に、トレミー48星座の中のアルゴ座がラカイユによって分割された。
ケンタウルス座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。
ケンタウルス座のαケンタウリは、太陽系に最も近い恒星である。
距離は4.4光年である。
ケンタウルス座の位置と見つけ方
ケンタウルス座には明るい星が多い。
しかし、南に低いため馴染みがうすい。
ケンタウルス座は、うみへび座をはさんで、てんびん座の南西にある。
てんびん座からたどるといい。
みなみじゅうじ座は東西北の三方向でケンタウルス座と境界を接している。
ケンタウルス座の恒星
ケンタウルス座α [α Cen]
ケンタウルス座で最も明るい恒星である。
太陽に最も近い恒星で3重連星である。
それぞれA、B、Cと呼ばれている。
特にCをプロキシマという。
太陽系から4.4光年の距離にあるG型星である。
ケンタウルス座β [β Cen]
ケンタウルス座で2番目に明るい恒星である。
太陽系から525光年の距離にあるB型星である。
ケンタウルス座θ [θ Cen]
ケンタウルス座で3番目に明るい恒星である。
太陽系から61光年の距離にあるK型星である。
ケンタウルス座の主な星雲・星団
オメガ星団(ω星団)
オメガ星団は、全天で最大の球状星団である。
当初、この球状星団は恒星と思われていたので、ω(オメガ)というバイエル符号が与えられた。
オメガ星団(ω星団)
出典:NGC 5139: Omega Centauri
1677年、エドモンド・ハレーは、この天体が恒星でないことに気づいたが、球状星団であることは見抜けず、星雲として記録した。
太陽系からの距離は1万8300光年と見積もられている。
オメガ星団は、元々小型の銀河であったという説がある。
銀河系に接近しすぎたため、重力で周囲の恒星を剥ぎ取られてしまい、残ったバルジが現在のオメガ星団だという。
オメガ星団の中心部は密度が高い。
中心部の恒星は、互いに平均0.1光年離れていると計算されている。
衝突やニアミスも起こっているだろう。
IC 2944
IC 2944は、ケンタウルス座λ(ラムダ)のすぐ近くにある散光星雲IC 2948内にある散開星団である。
ケンタウルス座の散開星団IC 2944
出典:Dark Bok Globules in IC 2944
この散開星団の周囲のガスは濃いため、IC 2944にはガスも含める場合もある。
ガスの中にある黒い領域をサッカレー・グロビュールという。
1950年にデビッド・サッカレーが発見したことに由来する。
IC 2948
IC 2948は、ケンタウルス座λ(ラムダ)のすぐ近くにある散光星雲である。
ケンタウルス座の散光星雲IC 2948
出典:IC 2948: The Running Chicken Nebula
ランニング・チキン星雲とも呼ばれている。
この中に散開星団IC 2944がある。
- NGC4945
- NGC5128
- NGC5460
- NGC3766
- NGC5316
- NGC5617
ケンタウルス座の流星群
ケンタウルス座流星群
2月2日から2月25日にかけて出現する。
ケンタウルス座のその他の天体
ケンタウルス座A [Cen A]
強力な電波源である。実体はレンズ状星雲NGC 5128である。
ケンタウルス座X-3 [Cen X-3]
周期4.84秒のX線パルサーである。
南のカニ星雲 [He2-104]
赤色巨星と白色矮星のペアがガス雲に包まれている。
この天体は、惑星状星雲として発見されたが、後にミラ型の変光を示すことが確認された。
スポンサーリンク
参考文献・サイト
Constellations
Star Tales
NASA:Centaurus X-3
Hera: HERA Timing Tools Extensions - Cen X3 :Cen X-3
HubbleSite
APOD
Black hole found in Omega Centauri
Peering into the Core of Globular Cluster Omega Centauri
BBC:Constellations
2008/05/17
2009/03/16
2010/09/20