ホーキング織野の

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はくちょう座を語る。

トップページ銀河系の目次星座88星座はくちょう座

はくちょう座は、夏の星座である。
星の配列が十字型であることから北十字とも呼ばれている。



はくちょう座は、天の川の上を飛ぶ白鳥の姿を表現したおり、トレミー48星座のうちの1つでもある。
ギリシャ神話では、大神ゼウスが化けた白鳥だとしている。

はくちょう座
出展:IAU




トレミー48星座は、2世紀以来使われてきた。
18世紀に、その中のアルゴ座ラカイユによって分割された。
はくちょう座を含む残りの47星座は、すべて現在の88星座に引き継がれている。



はくちょう座の主な恒星

デネブ[α Cyg]

はくちょう座のα星をデネブという。
デネブは、こと座ベガわし座アルタイルとともに、夏の大三角形を形作っている。
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アルビレオ[β Cyg]

はくちょう座のβ星をアルビレオという。
アルビレオとは「くちばし」の意味がある。

アルビレオは色の対比が非常に美しい二重星である。
小口径の望遠鏡でも、楽に分離することができる。
明るい方をアルビレオA、他方をアルビレオBという。

アルビレオA自体も、連星であることが1976年に確認された。
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はくちょう座16番星

はくちょう座16番星は、はくちょう座の3連星である。
2つの主系列星と、1つの赤色矮星から構成されている。
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はくちょう座61番星

はくちょう座61番星は二つの主系列星から構成される連星である。
公転周期は659年で、それぞれ、はくちょう座61番星A、はくちょう座61番星Bと呼ばれている。
Aは5等級、Bは6等級である。


はくちょう座61番星は、太陽以外で距離が測定された最初の恒星である。


恒星までの距離は、年周視差を用いて測定される。
はくちょう座61番星は、固有運動が大きいことが以前から知られており、太陽系に近いことが予測されていた。


多くの研究者が年周視差を使った距離測定にチャレンジしたが、最初にこれを成し遂げた人物はベッセルであった。
このため、はくちょう座61番星は、別名ベッセルスターとも呼ばれている。


はくちょう座61番星までの距離は11光年である。
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はくちょう座の主な星雲・星団

M29

M29散開星団である。


M29は、周囲を星間物質で囲まれている。
この星間物質がM29の光を吸収しているので、地球の届くM29の光は3等級程度も暗くなっている。


M29は1000万歳程度の若い星ばかりで構成されている。
また、はくちょう座アソシエーションの一部でもある。
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M39

M39散開星団である。
デネブの西側9度にある。


密集度の低い星団で、7光年の範囲に30個程度の恒星が集中している程度である。
太陽系からの距離は800光年と見積もられている。
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NGC7000

NGC7000は散光星雲である。
形が北米大陸に似ていることから、北アメリカ星雲と呼ばれている。




はくちょう座のその他の天体

はくちょう座χ [χ Cyg]

407日周期のミラ型変光星である。
βとγのほぼ中間にある。
ミラ、アルゴルに続いて、3番目に発見された変光星である。(新星超新星を除く)




はくちょう座W [W Cyg]

半規則型の変光星である。
周期は120日から400日で5等から7等の範囲で変光する。




はくちょう座AF [AF Cyg]

半規則型の変光星である。
平均約100日の周期で変光するが、突然予想外の光度変化がある。




はくちょう座SS [SS Cyg]

通常は12等級であるが、突如として8等級まで増光する。
ふたご座U型の変光星である。




はくちょう座P [P Cyg]

1600年8月に3等級の新星として出現した天体である。
新星は出現から10年も経過すると見えなくなる。
ところが、はくちょう座P星は400年たっても5等級を保っている。

この星の実体は絶対等級マイナス10等の青色超巨星である。
通常の新星は近接連星で発生するが、はくちょう座Pは単独の恒星なので、新星ではない。

数百年の間隔で激しいバーストを起こし、増光すると考えられている。
現在では、かじき座S型変光星と考えられている。




グリーゼ1245 [Gl 1245]

グリーゼ1245は太陽系から14光年先にある赤色矮星である。
二つの伴星グリーゼ1245b、グリーゼ1245cを持つ。

はくちょう座V1581という別名もある。




はくちょう座A

はくちょう座Aは、はくちょう座で最初に発見された電波源である。
全天で二番目に強力な電波源でもある。
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はくちょう座X-1 [Cyg X-1]

はくちょう座X-1は、O型の青色超巨星とブラックホールの連星系で、強力なX線源である。


青色超巨星のガスは、ブラックホールの引力によて吸収される。
このとき、ガスは直接ブラックホールに落ち込むのではなく、ブラックホールの周囲を回転する円盤を形作る。
これが降着円盤だ。


降着円盤に含まれる物質は摩擦によって非常に高温になる。
この高温のため降着円盤は、X線を放射するのである。


青色超巨星はHDE226868という名称を持つ。




はくちょう座X-1
出典:NASA



HDE226868は、ブラックホールからの潮汐力の影響でゆがむため見かけの明るさが変化する。
つまり、HDE226868は変光星なのだ。
このため、HDE226868は「はくちょう座V1357」という変光星名も与えられている。
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はくちょう座の流星群

はくちょう座κ

8月中旬から下旬にかけて出現する。
速度の遅い流星が多いが、出現数は1時間に3個程度である。
明るい流星は、途中で爆発するケースがある。



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参考文献・サイト

Constellations
Star Tales
SolStation.com
Chandra X-ray Observatory
BBC:Constellations
JAXA:宇宙の有名人とその配偶者〜「はくちょう座X-1」とHDE226868
NightSkyInfo.com - Albireo

2008/05/04
2009/09/24



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